今日は珍しく、靴の話です。
新社会人の頃に革靴が好きになり、就職から数年の間(もう10年以上も前のことですが)、いろいろ散財しました。
まぁ、安月給で買えるものは知れていて、超高級品には手を出せませんでしたが…
それでも若者なりに背伸びして買ったものは、イギリス製ではアルフレッドサージェント、国産では三陽山長、オーダーものでは京都の靴工房ハンザワなどなど。
そんな10年以上前の買い物の中でも、自分にとってずば抜けて最高の逸品だったのが、フランスのJMウェストンです。
フォルムも、とっても美しいと思います。
時代や流行に流されないデザインではないでしょうか。
外見でももっと語りたいところはあるし、革質とかでも語りたいことはあるんですけど、私にとって衝撃的だった「履き心地」について一点集中で語ります。
まず、「現在の履き心地」は、天国です。
天使の手のひらでそっと包まれているような、極上の快感です。
これはクセになります。
この感覚が、履くたび今でもずっと味わえるのだから、最高の買い物です。
…ですが、それはあくまでも「現在の」話です。
新品のときの痛みたるや、地獄の苦しみでした。
まず、硬いんですよね。
鋼鉄のカタマリに足を突っ込んだみたいな感じとでもいうんでしょうか。
加えて、ウエストンの特徴でもありますが、フィッティングが異様にタイトなんです。
革靴は絶対、履いているうちに革は伸びるもの、靴底は沈むものです。
なので、新品のときの履き心地と使い込んだ後の履き心地は、当然に違ってきます。
それを、使い込んだ後に全集中したもの…言い換えれば、新品時の履き心地を完全に無視したものが、ウェストンの真骨頂です。(たぶん)
そうすると、どうなるか。
まず、ド新品の時は歩けません。
しゃがむこともできまけん。
ただただ、立ち尽くすことしかできません。
そんなんじゃ外に履いて行くことは不可能なので、家の中でまず馴らします。
部屋の中で、靴を履いて、ただただ立ち尽くすのです。
その絵面もまた、地獄の苦しみです。
多少は馴染んできても、調子に乗ってすぐにフルタイムで仕事に使ってはいけません。
数時間も履き続けていると、どんどん痛みが増してきます。
足が噛みつかれているようです。
パックンフラワーに噛みつかれて残機を減らすマリオの気分です。
そんな痛みに耐えること数ヶ月…いや、1年…あれ?それ以上だったかな?
とにかく長期間の痛みに晒されることになります。
そんな苦痛を耐えた者にしか、たどり着けない境地があります。
そう、それこそがドMの境地…
…あれ?
違った、天国の履き心地です。
あんな地獄が夢のようと言うべきか、地獄を見たからこその反動なのか。
一生使い続けたい逸品です。
そんな、ブルーベラーとは関係ない革靴の独り言でした。

