1枠は、小野生奈。「小野×レディースチャンピオン」と言えば、2017年の第31回大会を地元・芦屋で制し、女王の一人として名を刻んだことが印象的だ。そのVを含め、当大会では4優出を果たすなど相性も良好。シリーズを優位に進める上で、この絶好枠は大きなチャンスである。ただし、私の中に「ドリーム戦1枠の小野は案外勝たない」という勝手なイメージがある。何の統計を採取したわけでもなく、いわば私だけのオカルトとも言えるのだが、同じ見解を持つ方はいらっしゃるだろうか(私だけか?)。因みに、当大会の過去10回におけるドリーム戦1枠の戦績は10戦4勝(=1着率40%)とやや苦戦気味。個人的なオカルト+過去のデータを鑑み、おそらく私は小野アタマを蹴飛ばした舟券の購入に走ると思われるが、素直な皆様はそんな欲望まみれの舟券を嘲笑するような逃げ切りにご期待下さいませ。





 2枠は、遠藤エミ。当大会では過去に3回の優出を誇るが、その事実は少なからず意外性を感じさせた。それもそのはず、優出時の枠はいずれも緑色。しかも、3回とも舟券に絡めていないのだ。季節的な面でも、夏よりは冬に行われる女子の祭典で活躍しているイメージが強い(因みに、昨年末の当地クイクラでも6枠で優出)ため、この大会における印象が薄くなるのも無理はない。ただし、6枠での優出というのは堅実に結果を残している裏付けでもあるので、今年も初日から侮れない。話は飛ぶが、奇しくもこのレースの①&②枠は今年2月のレディースオールスターにおけるファイナルと同じ並びに。その時は、2コースから俊敏に差した遠藤だったが、それでも機力の差にモノを言わせた小野に軍配が上がった。惜しくも2着に終わった雪辱を、このドリーム戦で果たせるか。





 3枠は、守屋美穂。昨年の多摩川大会では、初日から好調を維持してファイナル1枠に辿り着いたものの、2コース・平山の瞬間的ジカ捲りに屈して2着惜敗(いや、展開的には惨敗?)を喫したのが記憶に新しい。その上、昨年末に当地で行われたクイーンズクライマックスでは、今度は自身が2コースからジカ捲りを打ったものの届かず。近年、女子レーサー界では3本の指に入るほどの強さを見せながらも、夏&冬ともにあと一歩のところでタイトルに届かない守屋。“今年こそ、今回こそ”の思いは、本人、そしてファンともに高まっている。





 4枠は、田口節子。当大会では、第24&25回にて連覇を達成。その2Vを含め、優出7回を誇る実力者だ。40代に突入した今年、このレースの相手5人と比較すればベテランと言えるが、グラチャンVの前本然り、“ベテラン”を軽視すると痛い目に遭うかも?





 5枠は、鎌倉涼。当大会における初優出は、2010年の下関大会。その時、鎌倉は20歳であった。デビュー当時から天賦の才を発揮していた鎌倉は、2016年を迎えると同時に産休入り。3年弱のブランクを経て2018年12月に艇界へ復帰すると、今期(選考期間は2020.11.1~2021.4.30)の適用勝率では7.67を記録、女子No.1に輝いた。ただ、当大会における優出は先に書いた下関大会の一度のみ。もちろん、水面から離れていた期間を理由として考えることも出来るが、それでも意外な事実ではある。32歳を迎えた“艇界の才女”が、冬→夏において100期勢による連覇を成し遂げられるか。





 6枠は、平山智加。「平山×レディースチャンピオン」と言えば、やはり昨年のファイナルで見せた瞬間的ジカ捲り突き抜けVが記憶に新しい。そんな平山だが、実は過去の当大会で3回ほどファイナル1枠に座りながら、その全てで敗北を喫した過去がある。その意味では、昨年のVで過去の雪辱を果たした、などと表現するのは月並みだが、先述の田口以来となるレディースチャンピオン連覇を達成できるか注目だ。



(photos:Youta)