ハート君に会いました。
休業が解除されて時短になったころ、ドアの外を走って行くのを見かけて声をかけたけれど、その時は知らん顔で走っていきました。きのう看板を消して少ししたころドアの外に黙って座っているハート君に会いました。そうだ、ハート君はどもあもくが閉まるころいつもドアの外で黙って座っているんだったよね。
〝そうだよ〟としたり顔でマットのところまで戻ってくれました。
ハート君に聞いたいろいろを話しているよ
〝〈聞きがき〉でしょ〟とハート君は、またしたり顔。
そう、十年も前のことから。
〝ふ〜ん ずいぶんずいぶん前のことだね〜〟
ハート君、別になんの感慨もなさそうに帰っていきました。
どもあもく