『おくのほそ道』行脚2日目。須賀川から東北本線で北上し、安積へ。



 芭蕉が訪れた安積山は、現在安積山公園となっている。小高い丘が立っていて、それを安積山と呼ぶべきだろう。



 『おくのほそ道』の安積の章では、安積山について、「路より近し」と書いていて、最初に読んだ時はひっかかった。だが、上の写真を見れば一目瞭然とする。右が安積山であり、すぐ左側には路がある。この道は、旧奥州街道であるから、昔から通っていた路であろう。


 丘に登って、かつみかつみと訊きまわった芭蕉を憶う。芭蕉は、この安積の地で、和歌に詠み込まれたかつみという花を探し、安積の人に訊きまわった。しかし、誰もそのような花は知らないという。それでもかつみかつみと、幻の植物を追い求めていた芭蕉の姿は、『おくのほそ道』の中でも印象的な光景の1つである。



 ちなみに、芭蕉が探していたかつみとは、ヒメシャガのことであると、郡山市はいっている。残念ながら、今回は開花の時期ではなかった。