原美術館と予約時間をブッキングしてしまいましたがなんとか予約時間内に到着。
国立近代美術館「眠り展」


そうそう。ポスターにもなっていた西洋美術館所蔵のルーベンス「眠る二人の子供」
正直こういうテイストの絵を集めてるのかなぁ。なーんて思ってたら様々な「眠り」の視点からの展示で、本当に嬉しい誤算でした爆笑

章ごとにテーマを持って分かれていてかなりの作品数。アメブロに載せられるのが15枚のみなので厳選します。
映像作品も多くてさすが近代美術館という感じです。

序章は「目を閉じて」
藤田嗣治の「横たわる裸婦(夢)」奥にいる猫や手前の子どもも眠っていて、なんだか見てるこちらも誘われそう。藤田嗣治の「白」の透明感って格別だなって思います。

第1章「夢かうつつか」
ゴヤ「理性の眠りは怪物を生む」一気に不穏な感じに…
こちらは完全に「悪夢」って感じですねガーン
怖いけどなぜか惹かれる絵ですね。

第2章「生のかなしみ」
小林孝亘「pillows」この一見普通の枕をこう見つめてみるとなんか怖い…モノクロなのでなんだか「死」を意識させませんか?

第3章「私はただ眠っているわけではない」
森村泰昌「なにものかへのレクイエム」なにものか、とは見てわかるように三島由紀夫ですね。映像作品が別にあり「烈火の季節」8分くらいなのですが三島由紀夫に扮して「静聴せよ!」と演説をします。その最後のシーンは三島扮する森村の映像の視点から演説されている方向にカメラが動くのですが、そこに表れたのはのんびりとした日常の公園でだれひとりこの演説を聞いてる人はいません。
三島の思想や行動は私には受け入れられないけれど、今の自分が「自己というのが全くない」と突きつけられている気がしました。生きてるけど死んでたりしないかな?大丈夫かな今の私は、日本はショボーン

第4章「目覚めを待つ」
川口龍夫「関係 種子、土、水、空気」
かなりわかりにくいのですが周りの黒いパネルは植物の種子を鉛に閉じ込めてあります。
床にある真鍮の棒には土や水、空気が入っていていつでも目覚められるようになっています。

第5章「河原温 存在の証しとしての眠り」
今年亡くなられた著名な写真家奈良原一高氏へ宛てた
絵葉書がずらり。
「I GOT UP」シリーズ。書いてあるのは起きた時刻のみです。確かにその時間には生きてきた証ですね。
とても面白いなーと思いました。

終章「もう一度目を閉じて」
シャヴァンヌ「貧しき漁夫」
この漁夫の神妙な祈り、後ろで健やかに眠っている赤ちゃん。どんよりとした天気と痩せた漁夫…生活が厳しそうですね。目を閉じることは眠りや、祈り、考えたり、遮断したり…結構色々な場面でありますね。

今回の企画展は国立近代美術館、国立西洋美術館、近代美術館、国際美術館、京都国立美術館の全国国立美術館から集められたのでとても重厚かつ色々考えた企画展でした。面白かったですニコニコ

常設展も回りまして好きな作品のみ載せます。
アンリ・ルソー「第22回アンデパンダ展に芸術家達を導く自由の女神」
ヘタウマなアンリルソーの作品は私には癒しでしかないのですが、このアンデパンダ展はルソーはかなり出展したいたようです。
手前で主催者と握手してるのがルソーだったりします。

しかし、この多すぎる画家たちのコピペ的な描かれ方がやはりツボ。

麗子像で有名な岸田劉生「道路と土手と堀」この夏特有の暑さからくる空気の歪みみたいなのがすごいわかる!!って(個人的に)感じる作品です。

近代美術館の「眺めの良い部屋」でひといき。

実は次回展覧会の作品をリアルタイムで作ってたりしますびっくり

近現代の作品は単純化されていても複雑な意味を持つものも多く、自分の感じたそのままでももちろん良いと思うのですが、さらに作者がどういう視点で作品をつくったのか、ということを知るとどんどん面白くなりますね。しかし、飲まず食わずの美術館のハシゴはやっぱり疲れました~ガーン
近代美術館もミクニのレストランだけじゃなくて気軽なカフェもあるといいのにな…キョロキョロ