少年時代に出来る最大の悪しき行為は女子の体育着を盗む、または女子のリコーダーをひっそりと舐めるでしょうか。



僕は正直に言いますと、積極的にパンツをのぞきに行っていた節があった。そりゃもちろん自らまくりあげてパンツを見ようとすることはなかったが、ちょっとした隙を見せた女子のまたの間をこの眼にしっかりと映し出していた。しかしてそれは悪なのか、否悪ではない。自分の中のまだ何物かわかっていない何かにとりつかれてしまって、その何物かによって操られた結果である。悪いのは僕ではない。


もちろん草食系男子という言い訳を武器にこの年まで生きてきた僕は、小学生時代も草食系をありありと見せつけていたわけであって、そういった人間こそが体育着やリコーダーに手を出すのだろうとは思うけれど、リスクのことを考えてしまう計算高い、意気地のない少年だった僕はそれができなかった。そりゃしたかったさ!好きな女子の!よだれのにおいがしみついたリコーダーの筒の中を!味わってみたかったさ!それを感じた頃にはすでに勃起がどうすればおきるのかわかっていたのでそれができなかった。小心者である。



しかし強かであった。

性の欲求に対しては強かであり、それは今でも治すことができない(オナニー頻度が人一倍)



お楽しみ会、好きなあの女子と同じグループで出し物をすることになった。

彼女はグループのリーダーで、どういったものをするべきかをまとめあげメンバーを奮い立たせていた。僕の子間も奮い立っていたかもしれない。


本番の日、各々の出し物には制限時間があった。5分の間に自分たちで用意したお楽しみを披露する、それを大きく上回ったり下回ったりはしてはいけない。


僕より計算高く頭の良かった彼女が先生からストップウォッチを渡される。いつも先生の首からかけられているカシオのストップウォッチだった。先生の背丈に合わせられたそのストラップは、小学生の女子からすればとてつもなく長く扱いずらい位置にあった。僕は本番も直前なのに、それに注目していた。


いざ本番、僕らのグループは手品をすることになっていた。小学生の出来る手品には限界があった。僕なんかいまでも思い出すのが恥ずかしいくらい種がばればれであったから何も語らない。みなはよくパーティグッズ売り場などに売っているものを買い与えられてそれをこなしていた。なかなかみな楽しそうであったが時間は一向に過ぎていっていないことがわかった。彼女の表情に焦りが見えた。


その時である。僕は手を伸ばした。あと何分この苦痛から耐えられるのか?それを知りたかった体である


「ちょっと時間見せて!」


僕の手は彼女の首からさげられたストップウォッチを目指していた。先生の背丈に合わせられたストラップの先にストップウォッチがあった地点は、彼女の股間あたりであった。指先に緊張を覚えながらも迷いなくそのデルタをとらえた。しかし指先で絡みとることができたのは、その日彼女が着ていたワンピースの布だけであった。この卑猥な僕の思考、行動こそが少年時代の最大の悪しき行為だったと思う。


しかしてそれは自分の中のその時まだ何物かわかっていない何かにとりつかれてしまって、その何物かによって操られた結果である。悪いのは僕ではない。刻み込まれたDNAのせいだ。