正直自信があった。



これまでの人生で自分の体がくせえなと思ったことなんてほとんどなかったんですよ。いやねドメテクの以前の日記とかくまなく探されると「僕ってくさいんですよーほおら」みたいな日記が掘り出されてくるでしょうけど、決してそんなことはなく結構嘘だったんですよ。清潔感ならだれにも負けないねとも言われるくらい僕って清潔なんですよきっと。僕の流す汗は舐めても害はなかったんですよ。


先日、ずっと僕のあとをついてくる中年デブの気配を感じたんです。


しかしいくら後ろを振り返ろうと中年デブはそこにはいません。そこにあるのは中年デブがそこにいた痕跡というか、残り香だけが。クンカクンカ。やろう、僕の後ろをとるなんてなかなか俊敏ぞ。とか思って一日中首をくるくるくるくる見えない中年デブの影を目で追いかけていたのです。とうとういかれたか、そう思われてるのか、いつも通りいかれてるなと思われたかもしれません。もう世間の目なんて気にする必要なんてもうねえんだよ少なくともこの夏はよー!くそ街中で甚べえ来てるやつ死ねリア充が。


で、ときよりこのサラサラの髪をいじって試しにそのにおいをかいでみると中年デブが指に絡みついていたんですよ。くせえのなんのってもうやってらんない。こんなやつが同じ電車に乗っていることを考えただけでぞくぞく背中が震えてきた。夏だからちょうどよかったけど、街中で明らかに待ち合わせしてる感じの浴衣のお姉さんリア充だろうけど死なないで目の保養になるよ。そして彼氏は死ね!



そんなことを思いながら夜長自転車で駆け巡った。じっとりとした空気、やりやまない蝉の声。夏の存在感を前面に受け風を切っていく。そこで僕が考えていることは自分の愚かさでございました。手の届かない宝に…アルビダがどう頑張ってもワンピースに手が届かないような絶望感を僕はこの胸にひしひしと感じているんですよ。やつがいるところには必ず何かが起こるのさ、なぜかってそりゃあ、やつはビッグバンだからさ。とか絶大なる存在感を僕は醸し出したいのに、せいぜいセレビシエ。どうせ頭にくっついて離れない、みんなの金魚のフン的な存在なのです。それだから大人数と友人関係を築けるものの、親友関係にはなかなかなれず、僕だけ一人親友だと思っているなんだか悲し恥ずかしいような気分に陥るのです。


中年デブは確かにそこにいた。もう一度確認してみた。指にからめとり、クンカクンカ。みょ!妙ぞ!このにおい…僕みたいなやせ形の人間からは想像もできないにおいぞ!過去の栄光(清潔感ナンバーワン)は一瞬にしてもろくも崩れ去っていった。マンモスかなP。