あなたの初キスは、いつでしたか?


そんな話をしながら友達と学校の廊下を歩いていたのです。その友達はまぁ正直言って顔は僕以下のかわいそうな子。でも体系はけっこう似ていて後姿だと間違えることもある人。そんなヤツがね、誰かとキッスなんてしてるわけないですもん。似ているかもしれないけど総合的には勝っている僕が負けてるわけがない。それなので聞き返してみました。

「いつはじめてのキスした?」

「ん、え!?オレ!?・・・忘れたよ。」

ん?何この言い方。まるで、いままでキスをしたことのあるかの言い方だな・・・。そんなわけあるかいなーアルカイダー。だって総合面じゃ僕より

「忘れたけど、3人とはしたかな?」

な、な、何だってェェェェェーーーッ!!!
総合面!総合点!総合力!たとえテストの点数が悪くても、授業態度のよさで有名なこのnebe!・・・点数では負けても、総合的な評価を下してくれる通知表は高かったりするこのnebeなのに・・・。総合的学習に賛成!最近の高校では総合的学習で普通に普通の授業を受けさせられてるけど、その存在には大変賛成!そんな総合人間な僕だったのに、こんな体系だけが似ていて、(まぁ性格も似ててシャイだけど)顔が似ていないやつに負けているだとーッ!総合!総合が僕のすべてなのに!僕のすべてを否定されたこの瞬間、僕はひざから床に落ちた。

「ところでnebeは何人よ?」

2人・・・って何強がってんだ僕・・・。っていうかその2人って、じゃないか・・・。「2人って誰?彼女?かわいかったの?いつどこでどんなシチュエーションで!?」とかいい迫られて、「さーせん、どっちも男です・・・」とか答えるのなんていやだーッ!こいつのこの性格だ・・・絶対に、「nebeって男とキスしたことあんだぜー!」とか大声で言いふらしそうだ・・・。あ、なんだか見下されてる。確かに今の僕はひざから床に落ちたままの状態なので、僕に向かって目を見けるとなったら必然的に下を向かなくちゃいけないんだけど・・・それでもなんだかムカツク!でも・・・ココは正直に、っていうかひざから床に落ちたのに「4人。1人お前に勝った。」とか言っても嘘にしか聞こえないだろう。ココは正直に・・・正直に・・・

「まだ誰ともしてないよ・・・。悪かったな。」

フフ・・・高校2年で童貞はまだいるかもしれない・・・キスをしたこともない人もいるかもしれない・・・でもな、よく考えると僕って女の子の手すら触ったことないことに最近気づいたのだよ・・・。いやそりゃね、まぁたまーに何かの拍子でタッチしちゃうことはあるにしてもよ、意識的に触ったことなんか、小学校の入学式の退場行進の時にたまたま隣に座っていた女の子と二人並んで体育館を出ていく、それしかないんだ!!っていうかそれを「女の子の手を握ったことあるかい?」とか聞かれて、「あるぜー!小学校の入学式!」とか答えたら明らかにバカだろ・・・だから一度も握ったこともないってことだ。

そんな小学校の入学式に手をつないだあの子を先日学校の近くで見かけたんですけど、まぁ女の子は顔が変わるって言うじゃないですか。大人の女に変わるため、完成するために。まぁその子はもともとけっこうかわいかったんですけど、小学校高学年ですでにアレは完成されていた気がする。顔はもうなんか世の中のすべて、男の子の味まで知ってますよ、みたいな完成度。純粋な気持ちでそのときはきれいだと思っていました。で、まぁ先日見かけたときはなんか男の人と歩いていたんですけど、顔はあまり変わっておらずにおっぱいばかりがでかくなっていた。プルンプルンするのもいい加減にしろと。きっとあの横の男に毎晩のようにもまれるうちに大きくなっていったんだなぁ、と想像しているうちに僕のアレも大きくなって、イカンイカンと思っていたんですけど。

そんな彼女をね、ある後輩と一緒に帰っているときに見かけたんで「アレさ、さっき前通ったカップルいたじゃん。あの女の人のほう、実は僕とタメなのよ」って言ったら、「人は大きく道を踏み外すことがあるんですね。」と。まぁアレだね、きっと彼女に言ったんだよねそのコメント。ヤリマンだからあんなにおっぱいでかくて毎月子供下ろしてます、みたいな顔してたしね。うん、そりゃ道はずれてるね!うん。ハァ・・・


まぁ本題に戻ります。完全に僕のことを見下している友達。僕も今回ばかりは負けを認め、ガクついたひざに必死に力を込めて立ち上がります。そう、僕らの本当の青春はこれからだ!ご愛読ありがとうございました!!nebe先生の次回作にご期待ください!!!









で終わるのはずなのがいつものドメテク。でも今回は違った・・・・・・


突然大きく息を吸う友達。え?何何、大声出そうとしてるんだろ。おい。え?マジ?ちょ、おま待て!それは口外にしないでくれとあれほどーッ!!(言ってないーッ!?)

nebeってまだ誰ともキッスしたことないんだって!!笑えるぜェーッ


な・・・なんてこった・・・。廊下中に響き渡ったその大声は隣の隣のクラス、そしてその向こう側にあるトイレの中にまでまで聞こえていたらしく、ぞろぞろと教室から人が出てくる出てくる・・・注目されるのは嫌いじゃない。もっと僕をイジって注目を浴びせられたところに、僕はとんでもないボケをしてやる!といつも思っているのだが、今回は違う。自分の恥部をさらけ出しているのだ。コレはまるで自分の部屋に盗撮カメラを設置されていて、オナニーしているところを体育館とかに生徒全員を集めて暗幕などを駆使し真っ暗にしたところにスライドを使ってのライブ生放送でもされている気分だ・・・プライベートをさらけだされ、僕の居場所は次の日からなくない、そんな感じがしている。

しかし、現実はもっと残酷だった。ちょこっと教室から顔を出し、クスリと僕の顔を見て笑ってさっさともとの教室へ戻っていくのがほとんどだったからだ。ココまで来たんだったら僕がイクところまで見てけよ!その中途半端さが、なんともかなしい気分になっていくよ・・・。クソックソッ、なんで僕がこんな目に遭わなければいけないんだ。ヤツは再び地に落っこちた僕を見下しながらほくそえんでいる。0人だか3人だか大してかわんないだろ!・・・いや変わるか・・・。

ほとんどの人が「どうせそんなもんだろ、っていうか女性経験あるとでも俺たちが思っていたのか?」っていう顔で教室に戻っていく中。隣の隣のクラスのあの子と、それを取巻く数人の女の子たちがまだ廊下に残っていた。恨めしそうな目をしながら僕を見下す彼女らに対して、その子(Y子)は僕に歩み寄ってきた。

まっすぐ僕の方へ歩み寄ってくる彼女。なんで来るんだろうと僕は見つめる。

「nebeってキスしたことないんだー。」


彼女は僕が最初に学校の中でかわいいと思った子だった。そして一番話をしている女の子でもあった。テンションが高い彼女は、いつも何かと暴走してしまうところもあり、自分ひとりでぺらぺらとおしゃべりをして独壇場にでも上がっているかのとにかく勢いのある子だった。でも、性格はなんていい人なんだといつも思う。友達思いで、僕がなんだか元気がない日でも(別に何があったっていうわけじゃなくてただ疲れてるだけ)、何かと励ましてくれた。自分の恋の話もしてくれた。中学の頃から好きな人がいるらしいのだけど、今ひとつ振り向いてくれないっていう話もしてくれた。正直その男に嫉妬すると同時に、なんで振り向いてあげないんだろう、こんないい子を・・・とも思った。「彼氏ができたー」とある日突然言ってきたこともあった。僕は「あ、おめ。」とそっけない態度で祝福してあげたけど、実は心臓がドキドキしすぎて死んじゃうくらいショックを受けた時もあった。でも、「嘘嘘、ジョーダンね。」と言ってくれたときほど安心したことはなかった。なんだかしらないけど、漫才みたいなのを付き合わされたこともあった。なんか知らんけどツッこまれてた。でも、めちゃくちゃ楽しかった。

僕が去年、部活のマネさんに恋をし、そして失恋した後、友達に言われたことがあった。

「あの子の事はもう忘れて。nebeはY子と付き合っちゃえよ。」

「いやーそういう気持ちにはなれんよw」

本音と建前っていうものがあるけれど、心の中でもY子と付き合うのは考えられんな。ありえないだろ、Y子が僕を選ぶわけがない。それにみんなも好きな子のしたの名前でやったことあるかもしれないけど、自分の苗字とその子の名前が合ってるかなって考えること。まぁ一応Y子ともやってみたんだけど、無理。なんか妙な違和感。マネさんはしっくり来てたのに。だから考えられないね。とか思っていた。

自分の中でY子への感情を押し殺していたのかもしれない・・・本当は僕、Y子のことが好きなんじゃ・・・ないのか・・・?


Y子はなんだかもの欲しそうな顔で言った。僕はうん、とうなずくと、彼女は僕の頭を小さな両手で掴んで、瞳を閉じて、そして・・・


一瞬の出来事だった。
たしかなリアルな感触。唇に残る知らない感覚。真正面で受け止めたおかげで鼻も少し触れ合った。

彼女の赤くなった顔が離れていく。心臓のドキドキは止まらない。

「nebeの最初奪っちゃった」

心臓のドキドキはさらに加速をする。見てみるといつの間にか二人だけの空間。知らない感覚に驚き、唇をぬぐいたくなる手を押さえて窓から空を眺めると、雲ひとつないブルーが広がっていた。コレがキスか・・・コレがキスなんだ!やりなれているような彼女はヘヘwみたいな笑顔で見つめてくる。一本とられた気がした僕は廊下の真ん中に横になった。パンツの一つでも見せてくれよと言わんばかりに・・・


一度目をつぶり、再び目を開いて起き上がってみるとそこは真っ暗だった。コレはなんのサプライズ?と思って、何かの拍子で落としてしまった携帯電話を開いてみた。そこには午前4時32分という文字が。



(゚Д゚)


ものすごい喪失感と罪悪感を感じた。そして僕はその後、眠りにつくことが出来ず、ただただ枕をぬらしていただけであった・・・