私はチョコレートが大好きだ。


そのおかげなのか、それとも年齢的なものなのかはよくわからなかったけど、ニキビ体質ではあった。正直コンプレックスでもあった。多少のニキビならメイクでなんとかごまかせることができたけど、悪い生活習慣を送っていたためか、あごに大きくて赤いニキビができてしまった。

これじゃあ愛しの赤井くんに見せる顔がない!そう思って私は思い切ってそのニキビを潰すことにした。潰してみるととなかから膿んで黄色い気持ち悪い液体が出てきた。私はそれをティッシュで処理し、この程度なら目立たないなと思うと安心して眠りについた。

次の日。登校中、私は昨日潰したニキビがなんとなく気になっていた。触ると痛いとわかっていても、思わず触ってしまう口内炎みたいに・・・。なんとなくうずく感じがするので、指先で思わずツンツンやってしまうのだ。

教室についてカバンを下ろすと、なんだかみんな騒がしい。先生も廊下を走り回っている。なんなんだろうと思って、友達に何がおきたのか聞いてみた。

「隣のクラスの倉野くん、昨日の夜亡くなったんだって。」

倉野くんと言えば・・・風貌とかは悪いけどオタクみたいで、性格も根暗だったらしい・・・休み時間はライトノベルを読んでいて、昼ご飯も一人でぽつんと食べているのが印象的だった。それに倉野くんからはラブレターを一度だけもらったことがある・・・部活終わりの放課後、下駄箱をあけてみると一通の手紙が入っていた。手紙が入っている白い封筒の裏には「2-D倉野」と書いてあった。部活友達の朱美からは「あの倉野くん?やめときなよ佳子・・・正直キモイじゃんあいつ・・・」と言い、私からそれを奪い取ってその場でビリビリに破いてゴミ箱に捨ててしまった。

こんなすぐ死んじゃうなんて・・・手紙の内容くらい読んであげればよかったかな。そう思うのも倉野くんが死んでから数日間だけだった。ただでさえ影の薄い人だったので、友達の話題からその名前が消えるのは割合早かった。


そんなことも忘れて私はまたいつもの日常を過ごしていた。ただ一つだけ違っていたのは、人生で初めて告白されたことだった。その人の名前はサッカー部に所属している田村くん。同じクラスで、以前は隣の席にもなったことがあった。その時に私と田村くんは割と仲良く接しており、メアド交換もした。そして数ヶ月、彼と何度かメールをしたりした。そして先日、告白をされた。

しかし私には愛しの赤井くんがいる・・・そのことを話すと田村くんはすぐ諦めるように私の前から立ち去っていった。その後、数日間学校を休んだけれどまた元気に学校に来れるようになって私は安心をした。安心すると、なんだかお腹がすいてきたので学校帰りに数種類のチョコレートを買って帰った。その日のうちに食べてしまったのが悪かったのか、次の日にはまた目立つニキビが左ほほにできた。いわゆる黒ニキビと言われるもので、大して大きくはなかったが際立って目立っていたのでそれもまた潰した。ニキビを潰すのはよくないとわかっていても、それはマクドナルドに行ってセットを頼んだのにフライドポテトは食べるなと言っているようなものなので無理なのである。

次の日。昨日田村くんが死んだことを先生から知らされる。