「nebe!起きなさい!もう7時よ!」


母親の甲高い声が、吹き抜けの家に響き渡る。
いつもよりも肌寒い朝を迎えて、布団が恋しい。
朝のブログコメントチェックのためにパソコンのある机に向かった。
しかし、そこからパソコンは姿を消していた。

「昨日ドメテクの更新するの忘れてて、今からしようと思ったのに・・・いったいどこへ?」

そう思った僕はいつもパソコンを長時間使用していると怒られる母親にどこへやったのか聞いてみた。
軽く苛立ちを覚えながら。

そうすると母は答えた。
「ウチにパソコンを買うお金なんてないでしょ。」

何を言っているのかわからなかった。
おとといまでちゃんとほぼ毎日起動していたはずのパソコンが、ウチにないだと?
嘘をつかれているに決まっている。
僕は怒った。

「この間学校できっとパソコンの授業をやったのね。それが印象に残っているからそんな幻想を抱いているのかしら・・・」

僕は仕方なく朝食を食べる。
彩りなど考えて無いような、なんとか人が食いつなげる程度の量と質の朝食。
昨日までのパンとサラダとたまご焼きの朝食は幻想だったのだろうか。

そんなことより大切なものを失った気がする。
毎日書き綴っていた思い出。
そして一緒にバカやっていた仲間達。
彼らはどこへ行ってしまったのだろうか。
いや、僕がどこかに来てしまったのだろうか・・・

コップに入ったカルキの臭う水道水を一気飲みし、ため息を漏らす。
(・・・それにしても長い夢を見ていた気がする・・・一日やそこらですまされないような長い夢を・・・)

ドメスティック・テクノロジー 完