俺はいま恋をしている。


俺の名前は土橋章次。中三の15歳、土橋家の次男坊だ。なんだかアネキとか妹とか最近恋をしているんだけど、それに影響することは全くなかった。なぜなら小さな頃から兄貴の影響でAVとか見まくっていて、自分と同世代の子たちには興味がなくなってしまったからだ。お姉さま系が大好きだった。しかし、だからといってそういった人たちと出会うことは中学生の俺にはなく、仕方ないのでみんなが成長していわゆるお姉さま系になるまで俺は貞操を守りきることを決めたのだ。

そんなある日。クラスの女子たちには興味がないので男子数人で固まっていつものようにエロトークに花を咲かせているときであった。まぁ俺らの周りの女子たちは毎日のようにエロトークが盛り上がっていることを知っているので、ちょっと引き気味で距離を開けて授業前の談笑を楽しんでいた。今は引き気味かもしれないけど、将来はきっとあの子もあんなことやこんなこともしちゃうのかなーウフフー将来が楽しみーとか思っていたそのときだった。

「はいはーい座ってくださーい。これからね、今日からこのクラスを中心に教育実習をやる先生を紹介するから~。ちなみに、先生の大好きな女子大生でーす。」
そんな軽いセクハラまがいなことを言いながら教室の外を手招きしているのが、俺らの担任の大須賀。もう30台半ばになるのだけれど、その発言等が問題があって結婚しているとかそういった話は全く耳にしない。まぁ結構面白く、男子には人気がある先生の一人であった。

大須賀の手招きで教室に入ってきたその先生は、なんとも美しい女性であった。そう、俺の好みのストライクゾーンをど真ん中に射抜いたお姉さま系の美人だった。

「こ、こんにちは。今日から一ヶ月お世話になります田所智子といいます。よろしくお願いします。」
ちょっとはにかみながら自己紹介をこなした。田所先生。田所智子・・・智子・・・ともちゃん・・・ハァハァ。なんだろうこの胸のどきどきは。きっといいにおいのシャンプー使ってるんだろうな・・・ウフフフー・・・・・・。そう、俺は一目ぼれに落ちてしまった。


田所先生の専門の教科は体育だった。大須賀も体育教師のため、俺らのクラスの教育実習生に選ばれたのだろう。俺は毎週3時間しかない体育の時間がものすごく楽しみになった。唯一、内申が5とれる教科だったが、特にこれといったアピールはしないでとれたので自分で言うのもなんだけど運動が得意だったのだろう。だからもともと体育の時間は好きだったが、田所先生と一緒にやる体育は格別だった。まずジャージ姿の田所先生がたまらなくイイ!何がいいっていうと、普段は教育実習生ということもあってリクルートスーツを着ている姿しか見たことないけれど、この体育の時間だけは薄いピンク色したジャージを着て、いろいろ生徒に指導したりしていたからだ。このジャージが似合うのなんのって。たとえは悪いが、いつもオシャレな格好をしていたつかさが、服を汚しちゃったから淳平のTシャツとジャージを着ていたときのような感じ。「西野はなんでも似合うなー」って言いながら泣いていた淳平の気持ちがよくわかった。確かにリクルートスーツもいいけれど、こういったラフな格好もかなりいい!なんだろう、顔とのギャップがいいんだろうか。よくわからない。

授業は秋の体育祭の前ということもあってか、50メートル走のタイムを計ることになった。
「まぁ50メートルにお手本も何もないと思うけど・・・土橋君!ちょっとやってみて。」

授業の時の田所先生は本当の先生のようだった。この間の自己紹介のときはもじもじしていた印象があったが、学校の雰囲気にも慣れてきたのかどうどうと先生になりきっている。きっといい先生になるだろう・・・そんなことを思いながらも、コレって先生にいいところ見せ付けるチャンスなんじゃない?と思い、コレはミスできないな・・・と思った。久々に本気を出すときが来たみたいだな。

本当に本気を出すのは久々だった。去年の体育祭だって本気は出さずに抜いて走っていた。本気を出して走っているやつはだいたい、女子にこんなに早いんだよーかっこいいだろ~っていうところを見せ付けてかっこつけているだけなんだ。俺は前にも言ったように同世代の女の子には興味ない。だから勝ったからといってなんの特にもならない体育祭では本気を出さない。

しかし今回俺のことを見ているのは田所先生。大学四年生のピッチピチのお姉さま。こんなチャンスなかなかないぜ・・・と思いクラウチングスタートの後ろ足にメいっぱい力を込めた。先生はピストルを片手に、耳をふさぎながらスタートをきろうとしていた。
「よーい・・・パンッ!!」

ピストルの乾いた音とともに火薬のにおいをたしかめつつ、状態を起こしてスタートを切った!しかし、後ろ足に意識が行き過ぎて最初の数歩で一度軽く転んでしまった。クラスの男子は笑いをこらえている・・・しかし俺はこれしきで負けてはいられないんだ!ウオオオオオオオオオオオッ!!!そこからゴールまで本気の本気で走り抜けた。

ピッ!ストップウォッチをきる音が聞こえた。
「土橋君残念だったね・・・最初転ばなかったら結構いいタイム・・・・・・。え・・・?6秒6!?」

そう、最初のアレさえなければ俺なんか6秒5なんて軽く切ることができるんだ・・・あーあ、田所先生を幻滅させちゃったかなぁ・・・と思ってうなだれていると、頭をぽんとたたかれそしてそれがなでなでへと変わった。

「すごいねー土橋君!スタート失敗したのにコレだけ早いなんて!最後まであきらめなかった結果がこうなったんだよ。」
ほ、ほめられている?俺が?なんで?こんな納得いかない走りをしたのに・・・?
「みんな聞いてー。土橋君はね、私がやってほしいことをやってくれたの。それは最後まであきらめないこと。誰だって自分が遅いなーって思い始めたら力抜いちゃったりしてちゃんとしたタイム測れないの。だるいとか思わないで最後まで走りきってみて!」

なるほど・・・そういうことだったのか。なでなでがいつまでも続いている。俺は一向にかまわないが・・・
「先生!土橋と何かあったんですか!」
「土橋ひいきしすぎですよー。」
とそういった文句の一つや二つ聞こえてくる。それに俺の顔の赤さはもはやパプリカレベル。そろそろおしまいにしてくれないと・・・でも幸せの絶頂だった。そして俺は田所先生への視線を憧れから、恋してるレベルへと昇華させた。


続きますッッ!!