修学旅行も最後(三日目)の夜。僕らの部屋ではむさくるしい男たちだけでトランプをしていた・・・

友「はー、結局何もなかったなこの修学旅行。」

僕「だな。まぁ十分楽しかったけど・・・最後になんか思い出作りたいね。女の子との・・・」

そういや女の子と全く絡んでいないことに気付く。いや全く絡んでいないといったら嘘になるが、出発前の空港で先に来ていた数少ない僕の女友達に「あ、おはよう」って言われただけ。そんなの絡んだうちになんか入らないだろと思って、テンションも低めにトランプを続けていたときでした。


トゥルルルルルル・・・

電話だ。ホテルの部屋に取り付けてある、何号室か入力するとそこに通じるような簡単な電話だ。今頃の時間(十二時半過ぎ)にかかってくるなんて珍しいな。と思いながら僕は恥ずかしいので友達に受話器を取ってもらった。

友「はは、おめーのしょっぺーまんこでも吸いつけって!?わかったーうんうん。」

いったい何の電話をしているんだ友!電話回線自体が腐って使い物にならないような卑猥な言葉を受話器越しに話すな変態!電話の内容が気になって仕方なくなるじゃないかこのインポ!

友「わかったじゃあまたあとでね~。」

ガチャン。

僕「なんだって?」

友「なんかWさんとかがこの部屋に来るらしいよ。」

何ィィィィ!!?あのクラスのマドンナ的存在のWさんを中心としたあの美少女グループがさえない僕らの部屋に来るだと!?そんなこと・・・そんなことあってたまるかよォォ~!確かのこの友達DくんはWさんたちと仲がいい。DくんとWさんたちが仲がいいということはおのずと僕らもまぁまぁ他人行儀ではないような普通の関係になることができている・・・Dくん。僕はキミと友達になって本当によかったよ・・・(ってことはですよ、先ほどの電話はWさんと下ネタトークしてたってことか!それだけは許さん!)

チンコーン。今か今かとWさんたちを待って静けさで包んでいた僕らの部屋にこだまするチャイム音。部屋にいた全員でお出迎え。

W「へー男子は部屋の形が違うんだね。それより何ココ何か臭うよ!」

メスを待つ男からはちょっとくらいにおうものなのだよ・・・

D「じゃあ何する?」

W「あ、見てみて。王様ゲーム用意してきたんだ。カードゲームとかじゃいまいち盛り上がりに欠けると思って。ちょうど10人分あるね。」

こういうときの女の子の用意周到さは侮れない。それに比べて男はみんながみんな他のヤツがトランプの一つや二つもってくるだろとか言う甘い考えを持っていたのでほとんどの人が持ってきておらず、高い値段でトランプを売っているやからもいたほどだ。

D「じゃあ王様ゲーム始めます。さぁくじを引いて。」

みんな真剣なまなざしでDくんの手に握られているくじを見つめる・・・そしていっせいに引くッッ!!

岩山「よっしょぁあああああ!オレが王様!」

岩山!彼は名前のとおり図体まで岩山のような男!テンションもあがるときは高すぎてついていけないときもしばしばのようなヤツ!

岩山「じゃあ・・・③番さんは・・・そうだな。冷蔵庫に入っている氷。それも大粒のヤツを一口で食べてもらいます。」

ほほう岩山・・・序盤の王様ゲームの空気を知っているな?最初は誰々が誰々に○○をする、なんていう命令をしたらその後のネタ切れにもつながるかなら。最初のうちは簡単で、誰にでもできるようなものからやっていくのが定石。

柳川さん「しょっぱなは私か・・・よーしじゃあ食べます!」

柳川さん!彼女はWさんまでとはいかないがなかなかかわいい!(と僕は個人的に思ってる)ポッチャリ系で男子にはまぁまぁ人気があるっぽい雰囲気。

そんな柳川さんが氷をほおばる!なんとなくエロティック!そして想像以上の大きさと冷たさで手間取っているようなところがまた萌える。萌えあがる感じ。二次元では表現できないような萌えが一時過ぎの僕らの部屋で展開されている。なんということだ・・・

口の周りを真っ赤にしながら食べ終えた柳川さん。


そしてだんだんと熱が入り始める王様ゲーム。ディープな罰ゲームもキツイものになるようになってきました・・・

K子「それじゃあ・・・④番が⑦番とキスをする!」

キター!そういうキツイヤツー!王様になった彼女の名前はK子。僕がクラスで唯一下の名前で呼べる仲の女の子だ。ルックス的には普通だが、その友達感覚で話せる感じは男子からも女子からも評判がいい。

って④僕だーッ!僕!身長約165センチ体重ようやく50キロに到達、そして座高は86センチと短足族の一員だ。彼はクラスでも1,2番を争うほどのシャイであり、女の子と目と目をあわせて話すことが大の苦手である生き物で、このおかげで女の子と話す機会がなくなっているのが実情であり、もちろん童貞。キスも女の子とはしたことはない、手をつないだ記憶すらない。そんな僕に・・・そんな命令をォーー!!

⑦!誰だ!⑦は!お前か!そこでもじもじしているお前!無精ひげを生やしながらも顔はベビーフェイスっていうギャップを生んでいるお前か!馬場!それともお前か!Dくんか!

W「あー⑦番私だわ。④番は誰?」

Wさんんんんんん!!?な・・・なんというめぐり合わせ・・・クラスのマドンナであるWさんと僕が・・・その・・・口づけなんて・・・王様ゲームだけれども・・・

K子「いや、キスはやりすぎか・・・じゃあ・・・」

僕「いや!やる!お、男はやるときにはやるんだ!」

僕はそういうと驚いた顔をしているWさんの背中に手を回し、自分の体のほうへと引き寄せて一気に顔をひきつける!小さな声で「いい?」と聞くと彼女は唇を噛み締めて小さくうなずく・・・そしてその瞬間、僕の唇に潤いと弾力のある柔らかな体温が




ハイ嘘。現実ではない。

そんなこんなでこの日もほとんど女の子と絡むことなく過ごした。他のカップルなどは外でいちゃついたり、部屋を占領していけない思いで作りをしていたりしていた。僕はそれを外からハンカチをくわえながらどんなプレイをしているのか想像して眠りについた・・・

そして最終日はお土産探しにお店を点々としているうちにあっという間に飛行機の時間となっていた。僕は飛行機の上から沖縄の大地を目に焼き付けて、少ない思い出を振り返っていた・・・。・・・・・・・・・、特にないな。でも友達みんなとはっちゃけたことだし、楽しい修学旅行には間違いなかった。また沖縄に、そしてまたこのクラスで一人もかけることなく、修学旅行に行きたいと思ったのはみんな同じではなかっただろうか。沖縄から帰ってきて数日。僕はなぞの体調不良に犯され、未だにあまりよいコンディションと呼べるようにはなっていない。時差ぼけか。