僕の学校ではデポジットシステムを推奨しています。

そもそもデポジットシステムとは、空き缶一本をある謎の装置に投入するとメキメキと春期講習を受けてた僕の脳みその内部のような音を立てながら缶を潰し、10円と交換してくれるといったある意味最高のシステムです。


とは言え最近はデポジット機が壊されたり、デポジットでかせぐよりバイトしてかせいだ方がよっぽど儲かるってことに気づいたらしく、誰も空き缶1本10円ってことはしなくなりました。

そんな僕の学校は現在夏休み。そんな学校には先生達も部活で顧問をやっている人以外来ておらず、生徒も部活や委員会をしている人以外は登校していなくまさにデポジットをやるには絶好のチャンス!そして夏休みといったら何かとお金が必要ですよね。バイトしていない僕はこの夏を乗り越えるのはちょっとつらい!ってことで僕ら元祖空き缶ハンターはいつものゴミ置場に空き缶が置いていないか探してデポジットしまくろうって思ったのです。


割とどうどうとゴミ置場にイン。まぁ誰もそんなところ見ているワケではなく、通行人とかに見られてもあやしいことやってるなぁと思われても別に密告るワケではないだろうし。どれどれ、今日の収穫は・・・と。

な・・・いつもの場所に空き缶が1本もない!そんなことあらへん・・・どうなっているんだ・・・と思ったけどよくよく考えたら夏休みなんだから誰も学校で空き缶を捨てる人なんていないじゃないか。なんてこった。思わぬ盲点に気づいた僕。まぁこのまま引き下がるのはなんだし、ゴミ置場をいろいろと漁ってみよう。このゴミ置場には学校のあるときはいつもかならずマガジンなどの雑誌や、まぁまれに単行本とかが落ちていて学校内の宝島と僕は勝手に今決めた。そんな宝島、発掘せずにどうすんのYO!と思って頑張って漁ってみました。なんか貧乏クセー、ゲロ以下の臭いがプンプンするぜ!とか思ってもかまいません。

そうすると僕はあるものを発見しました。黒くて大きいもの・・・でも決して棒状ではなく立方体に限りなく近い形・・・こ、コレはまさか・・・燃えるゴミを掻き分け、そこにあったものはなんとテレビ!外からみたらなんともない、アンテナ式のテレビジョン。

そういや僕の部屋にもテレビがあるっちゃあるんだけど、なんかちゃっちくて映りが非常に悪くてさらに音もざーざー言ってて見るに耐えない聞くに堪えない、そんなテレビなんです。そんなテレビよりもしかしたらこっちのテレビのほうがいいかもしれない・・・そんなことを思った僕は持って帰る事に!


うんしょうんしょ・・・まぁ人は少ないとは言え目立つ・・・まぁ小型のテレビなんだけどこんなん持ってる高校生とかマジ怪しい光景だったと思われる。すごい視線を感じた。後ろを振り向いても誰もいない、でもなんだか視線を感じる・・・コレが真夏の校舎か・・・暑さでいらぬものまで感じてしまう・・・奇怪・・・

ナオン「ねぇ、私にそのテレビを譲ってくれない?私の部屋のテレビ壊れててさー」

ん?何この展開・・・一年前となんだかすごいかぶる気がするけど、やっぱりダンス部の人でした。何?このテレビを譲って欲しい?何言ってんの。いやね、仮に仮にですよ、アナタが荒木飛呂彦や板垣恵介のようなカリスマだったらねこんなテレビなんていくらでも探し出してきていくらでも差し上げますよ。それは、僕がゴミ置場から拾ってきたテレビをあのカリスマが欲しがっているなんてこと、普通に生活していてありえないことじゃないですか。タモリが今後海外旅行に行くことくらい!そんなありえないことにはプライスレスでも大きな価値はあるんです。でもね、アナタに話しかけられた僕は人生のマイナス部分を今通過しているワケじゃないですか。この代償としてアナタに近くの電気屋さんで薄型液晶テレビ一年分を僕に進呈してくれないと償えないほどの。それなのに僕はゴミ置場からわざわざ拾ってきたテレビをアナタに進呈しなければいけないなんておかしくないですかね。まぁアナタはダンス部に所属していて女子の間ではかわいいかわいい、ノリいいノリいい、とか言われてるかもしれないけど男子である僕の目からしたらあなたなんてガンコちゃんですよ。それでなんか教室じゃギャーギャー言ってて鼻につくんですよ。まぁそんなノリ誰もついてけねーっての。ホラ真実の姿を映し出してやろうか。このテレビでNHK教育を選局してよォオオオオッッ!!

と思ったんですけど、チキンの僕にはこんなこと言う勇気なんかなく、というかチキンとかチキンじゃないとかそれ以前の問題だろう、さすがにコレは言い過ぎってこと気づいてただこのことを念じていたけど、アナタはあきらめてはないみたいだね。僕はうわばきを家に置いてあるので校舎の中は仕方がなくスリッパで歩いていたんですけど、このスリッパをブランコからの靴飛ばしの要領で、僕らの話している横に並んでいたロッカーに当てて「ガシャン!」という音でガンコちゃんが横を向いた隙にテレビを持ちながらも全力疾走で廊下を駆け抜け、自転車置場まで行きそしておもむろに自転車のかごにテレビを詰め込んで学校から抜け出しました。

やった!コレで僕は自由だ!小さい頃に培われた靴飛ばし、陸上で鍛えられた逃げ足の速さ。すべてがすべてうまくいき、興奮した面持ちで道路を自転車で波紋疾走(オーバードライブ)してました。

しかしテレビのような重いものをかごに乗せたことなかったのでバランスがとりにくくなんとなくフラフラしながら走りながら曲がり角を曲がったその瞬間に自動車が!自動車との接触はなんとか免れたものの完全にバランスは崩してしまい、そして正面には電信ばし・・・・・・・・・・・・~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッ・・・・・・・・・・・・

ガッシャァァァァァァン!!!

それは例えるのならばかなりの大きさ、重量の牛乳瓶を床に落とした音にも似ていて・・・