社交ダンスのステップ名は、必ずしも全て覚える必要はないかもしれませんが、最低限の基本的なものは覚えておかないと何かと不都合をきたす場合も多々あるようですね。

 

ベーシックなものだけでもかなりの数がありますし、ダンス種目ごとに名前の付け方が異なっていたりして統一性が無いので複雑と言えば複雑かもしれませんし、人によっては戸惑うことも多いかもしれません。逆に、ステップ名の由来を細かく調べていくと面白いかもしれませんが。

 

ナチュラル、リバース、ターン、スピン、のように右回り、左回り、回転などの動きを組み合わせて命名したものはわかりやすいのですが、いきなり都市名が出てきたりしますし、英語由来ばかりとは限りません。

 

ベテランの諸先輩の方々にとってはステップ名など覚えていて当然でしょうし、あまり疑問も持たないかもしれませんが、私にとっては一つ一つが覚えづらいし、響き(?)が不思議だったりもしました。

 

そこで、ステップ名を覚えやすいように、かつ、レッスンが楽しくなるように、私が考えたのは、時折「ステップ名にあだ名をつける」ことでした。言い換えれば、ステップに勝手に自分の好きな名前を付けること。

 

例えば、ラテンの習い始めに出てくる誰もが知っている「ニューヨーク」。え、なんで、いきなり都市名が出てくるの?と皆さん不思議に思いませんでしたか?

 

でも、東海岸は日本から直行便で行くには遠いし、冬は寒いし暗いし天気が悪いイメージがあるので、どうせなら日本からも近いし、いつも晴れて暖かいイメージの「ロサンゼルス」に(勝手に)しました。

 

大谷君もそんな理由で東海岸のヤンキースではなくて、西海岸のチームを選んだらしいですよ。まあ、「マイアミ」とかでもいいんですが、トロピカルになりすぎても違うような気がしたので…。それはともかく。

 

ステップ名ではないですが、チャチャで出てくる「ワパチャ・タイミング」。こんなの覚えにくいので、昭和の人間にとって覚えやすい「ワカメちゃん・タイミング」とさせていただきました。

 

スタンダードで言えば、タンゴを踊っていて、バックしたいときに使うステップですが、これって後ろにステップするやつでしたっけ?って先生に聞いたことがあったので、「バック・コルテ」は「コレッテ・バック(これってバック?)」にしました。

 

遊びやすいのはサンバでしょうか。カリオカ(キャリオカ)・ラン(ズ)なんて最初に聞いたときはそれ何?って感じでしたが…。調べてみたら「カリオカ」ってリオデジャネイロの住人または出身者のことをそう呼ぶみたいです。そういえば、ブラジルのクラブに所属した経験があるサッカーのカズが、ラモスのことを「カリオカ」って呼んでいたことがあって、アレかっこ良いなーって憧れたのを思い出しました。

 

なので、カリオカ・ランも日本人の名前風にしたらどうかってことで、「カタオカ・サン(片岡さん)」にしてみました。ちなみに、「カタオカ・サンズ(片岡さんづぅ)」にすると、発音の仕方によっては一部の東北弁で「片岡さんの家」の意味にもなります。東北の方はなんとなくわかるかもしれませんが。

 

ボタフォゴやボルタは、確かブラジルの都市名だったかと思いますが、なんとなくイメージで、エスカルゴと、源氏ボタルにしてみてはいかがかと。ポルトガル語ならともかく、なんでいきなりフランス語が出てくるんだって話ですが。

 

ボルタに関しては、「パナソニック・エ・ボルタ」なんてしみると、中南米の都市か、またはどっかのメーカーのアルカリ電池みたいでオシャレかなぁ、なんて思ったりもします。中南米からアフリカ大陸まで足を伸ばしてしまえば、「ウサイン・ボルタ」なんてのもありますが…。

 

まだまだ、たくさんあるのですが、レッスン中に新作を思いつくことも多々あります。

 

そんな時、個人レッスンを受けている若い先生に言いづらそうに言われました。

 

「あの…」

 

「はい?」

 

「私との個人レッスン以外では、その変な名前は絶対に出さないでくださいね…。」

 

「…はい…。」

 

レッスン中はもっとダンスに集中しようと反省しました…。