「社交ダンスをもう続けられない…」

 

 皆さんも一度や二度はそんな経験があるのではないでしょうか?自分の問題の場合もあれば家族の問題のこともあるでしょうし、または経済的な理由など、人それぞれ、この世に生きている限りはいろんなことがあると思います。私も、ある理由で社交ダンスを一年半ほど休んでいたことがあります。なぜかそれを今、話してみたくなりました。

 

 それは数年前のある日、突然やってきました。

 

 本当に突然、雷で撃たれたように急に胸が苦しくなり、激しい動悸と立ちくらみが襲ってきました。目の前がチカチカして視界も怪しくなりました。黙って立っているのがとにかく苦しくて、ひたすらグルグルと歩きまわっていました。

 

 この時、初めて命の危険を感じました。とりあえず、救急車を呼ばなければと思って電話を取り、119へダイヤルする直前までいきましたが、少し症状が落ち着いてきたので、とりあえず救急車を呼ぶのは思いとどまりました。波のように苦しさが押し寄せては去っていくようでしたが、その波が少しずつ小さくなっていきました。

 

 なかなか本調子には戻りませんでしたが、夜になる頃だったので病院に行くにしても、明日以降にしようと思ってその日は就寝しました。しかし、真夜中に胸が苦しくなり、結局救急外来に行くことになりました。とにかく胸が苦しく、呼吸ができなくなる感覚でした。道中はひたすら苦しくて、またなぜかひたすら寒かったのを覚えています。

 

 それは、ちょうどここ数年程、世間が大騒ぎしたあの感冒?が最初に日本で出始めた頃であり、当時は「未知の病」ということで病院も万全の防護体制を敷き始めた頃でした。私は普通に病院に入れてもらえなくて、寒い中で長い時間を車の中で待たされました。ようやく病院に入れたと思ったら別の特別な入り口からで、しかも対応する職員は全員が厳重な防護服を着た状態でした。

 

 そんな状況で、しかも胸が苦しくてしょうがないのに、検査をあちこち回されました。隔離の入院も覚悟しましたが、MRIやレントゲンまでも含めて、あちこちいろんな検査をした結果は、「異常なし」。医者も首をひねりながら、とにかく様子を見てくださいということで自宅に帰ったのは、もう夜が明ける頃でした。

 

 しかし、この謎の体調不良はそれで終わりませんでした...。