無理なターンアウト特訓で膝に激痛が走るようになってしまった私は、いろいろ調べたところ、どうも膝が外を向いてしまった可能性が高いことに気が付きました。そこで、試みたことはシンプルに「膝の向きを元に戻すこと」でした。
外を向いてしまった膝が元の位置に戻るように頑張ってストレッチ等を行うこと数か月、ようやく膝の痛みが緩和してきました。結局、ターンアウト特訓を始めてから膝の痛みが出始めて強くなるまで半年~1年くらい、その後元に戻すのに3か月~半年くらいかかりましした。往復(?)1年以上の長い旅でした。
なんだか話だけを聞いていると嘘みたいですが、結果から見ると自分の脚に起きていたことはそうなのではないか、と思います。今では膝の痛みは無くなりました。
実際にこんなことやる方はいないとは思いますが、無理なトレーニングやストレッチは絶対に行わないでください。また、体の痛みや不具合が出た場合には自己判断せずに、必ず専門家の方に相談してください。
なんだか、ヨーロッパの童話に似たような話があったことを思い出しました。3つの願いをかなえてくれると言われた老夫婦。妻が、つい「ソーセージを食べたい」と言ってしまい、ソーセージが出現で1つ目のお願い終了。くだらない願いをしてしまったことに憤慨した夫が「ソーセージをお前の鼻につけてしまえ!」と言って、これで2つ目の願いが終了。困り果てた老夫婦の3つ目の願いは、「ソーセージを鼻からとってほしい」。そして、3つのお願いが全てかなった結果、老夫婦の目の前にソーセージだけが残った、というお話なのですが…。
怪我もあり、かなり遠回りしましたが、学ぶことも多かったように思います。私にとっての「残されたソーセージ」は、「なぜターンアウトする必要があるのか」を自分なりに理解したことと、「ターンアウトは股関節から脚全体を外旋させて行うべき」ということを理解したことでしょうか。
こういうことがあって以降、つま先を無理に外側に向ける練習は一切やめました。一方で、ダンスの動きの中で常に股関節を意識するようにして、股関節を動かすストレッチを多く取り入れるようになりました。理論として聞いたのではなくて、身をもって(痛さとして?)体験したことが財産と言えば財産なのかもしれません。
中高年からダンスを始めた立場としては、体の柔軟性や可動域、それに対応するためのストレッチ等に関しては課題がたくさんあります。皆さんもそうだと思いますが、人生それなりの期間を生きていると、知らない間に硬くなり、動かなくなるところばっかり。頭も体に負けないくらい硬くなっているかもしれません。その硬さを少しでも柔らかくしたい、それもダンスをする一つの理由のような気がします。
毎日が新鮮で、楽しくて、キラキラしていたあの日々、あの頭と体の柔らかさを、少しでも取り戻すべく…。