決してメジャーな趣味でないかもしれませんが、それなりに普及している割には社交ダンスの「攻略本」は少ないような気がします。なかにはDVD付きの入門書等もあるにはありますが、他の趣味の本に比べて選択肢が少ないように感じます。なぜ社交ダンスの入門書が少ないか?ある程度経験のある方なら言わずもがな、なのですが…

 

 社交ダンスの入門書には様々なフォーマットがありますが、典型的なのが、HUNG・TEN(ハン・テン)のロゴマークみたいに、足跡がペタペタ書いてあるやつです。(さすがに足指までは書いていませんが。)これで男女のステップの位置と順番が一目でわかる優れもの…?なのですが。

 

私は早速アマゾンから送付されてきた入門書の「ジルバ」の頁を開きました。

 

「なになに…。スロー、スロー、クイック、クイックと。はあ…。先生は、こう動いていたのかぁ…。」

 

「レッスンの最後のほうでは、先生が俺の手を取って(本当は逆なんですけど!)、男女の位置が入れ替わるなんて高等(でもないんですけど)テクニックがあったな~。その時のステップと位置関係はこうなっていたのか~」なんて感心しきり。

 

 私は嫌がる妻を相手に、レッスンを再現してみることにしました。本を片手にとり、二人して覗き込みながら、男子の一歩目はここ、女子の一歩目はここ、男子の二歩目はそっち、女子の二歩目はそっち、と…。四歩目は…向こうに飛ぶのか~…あ~でもその時は手はつないでいたっけな~?どこで離すんだ?ここでくるくる~って…あ~手がねじれる…これ、届かないよね?え、このポーズ、ありえなくね?なんか変だな~、あ~、ぎゃ~!と二人して、大騒ぎして、最後は顔を見合わせて爆笑。

 

 これ、目指すところが違ってないか…?と、私はうすうす感じていました。

 

「こ、これは…。」

 

「‘ジルバ’ではなく、‘ツイスター’では???」

 

「これじゃあ、アメリカ発祥のパーティ・ダンスではなく、アメリカ発祥のパーティ・ゲームだ…」