とある日。



今年もお花見に行った。



お花見。

それは意識してソメイヨシノなどの群生地を見に行くこと。

今年はお酒は無しだったけれど、その分ドライブも兼ね、

伊豆半島の東海岸までブラリ足を伸ばした。





沼津から函南、伊豆長岡を経て伊豆中央道に乗り、そのまま大仁、亀石峠に達し、
伊豆スカイラインに乗る。

ちなみに伊豆スカイラインは来年3月まで、一律200円で熱海から天城高原まで
行けるのだ。お得だぞ!!





さて、天城高原で降りて東に進むと大室山である。

このふもとには「さくらの里」という桜の名所もあるのだが、

今回は伊豆高原駅から綿々と続く桜トンネルが見たかったので寄らなかった。



大室山の南側を回り込み、とある交差点を右折。

これをどんどん下っていくと右手に「ねこの博物館」があり、

ああこの道で合ってるよなぁと思いながらさらに下っていくと無事に

伊豆高原駅へ到着。

午後1時、駐車場へ車を止める。




立ち並ぶ出店(何故こんなに手作り工芸品の多いのか不明)をあれこれ覘いて

まわり、しばらく歩くと食い物出店街が出現。辺りは美味しそうな匂いで包まれて

いる。


単なるふとした思い付き。


あゆの塩焼きとか富士宮やきそばとか麩菓子とか豚汁とかまぁ色々だ。

来る前は、ランチはもう少しリッチにどこかおしゃれなお店でと考えていたが、

お腹も空いたし、ここには食べるためのテーブルもある。

「ここで食べますか?」「うん」

友人と交わした短い会話にてここで食することが決定された。







ところで自分、佐世保バーガーなるものを知らなかった。

いや、言葉は知っていたがどういうものか知らなかった。

で、佐世保バーガーの看板を掲げた店の前でどんなものか見ていると、

店のお兄ちゃん、近寄ってくる客をまるで肉食獣のようにロックオンしていく!

自分がバーガーのでかさに驚きの声を上げるなり、

「じゃあ半分こね半分こ。半分こならば食べれるよ」

と言いつつもう既に実際にバーガーを半分こに切っているよ、オイオイ。

まだ一言も買うとは言ってないんだが…。


単なるふとした思い付き。


まあしかし、これがこのお兄ちゃんの口の上手さと行動力と商人の芸なのだなあと

関心しつつお買い上げ。

友人とともに半分こ。

単なるふとした思い付き。


その他、焼き豚肉の串刺し(塩味)も買って昼食。

焼き豚肉は美味しかったなぁ。

そして人生初の佐世保バーガーは…。いやたぶんこれは佐世保バーガー風の

バーガーだな。

サイズは佐世保バーガーぽいが、バンズももっちり感はなくパサパサしていた。

が、それでもたいてい美味しくいただける「黄金の舌」の自分、焼き豚肉バーガーを

創作したりしながら食べていたらなかなかにお腹が一杯になった。





さぁて、これから登り道だ。

桜のトンネルを歩いて登っていったのだった。





ずんずんずんずん、坂道登る。

日ごろの運動不足を感じながらずんずん登る。

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。



野坂オートマタ美術館まで登った後、通りを渡り駅までまた戻る。


単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。



トイレ休憩を兼ねて伊豆高原駅へ寄り(こんなに大きい駅だとは思わなかった)、


単なるふとした思い付き。




そして、城ヶ崎海岸へGO!

自分が高所恐怖症なのを知った友人に、笑いの種を提供するのもまた一興。



ちょいとしたハイキングコースを歩き、海の匂いを感じつつ、時折開けた場所に

心細く立ってみては感じる海、崖、波!

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。

単なるふとした思い付き。




ようやくたどり着いたかの有名な吊橋。

ここで真下を覘いては立ちすくむ。ふいに友人から脇腹を突かれる。

まったくなんていうドSな友人なのだろう。そしてそれを受け入れる自分、

相対的にいってMらしい。

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。




ええと、こいつはなんていう鳥だろうな?珍しい。

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。




岩々とカップルと子どもたちに囲まれながらごつごつとした岩場で海を

眺めていると、人生の中の様々な悩みが実に些細なことのように感じられてくる。


単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。

あれに見えるは伊豆大島か?

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。






さて、自然に触れた後は、もと来た道をひた走り、行くは三島大社の夜桜。

伊豆スカイラインを北上する。




三島大社に着いたのは18時過ぎ。

ちょうど夜の帳が降りていく時間。時間とともに景色が変わっていく素晴らしい時間。

まずは神様にお参り。

「自分に関わる全ての人が幸せになれますように。」

そしてこの後はただただ桜の写真を撮り、ただただ桜に圧倒された。


単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。


単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。

単なるふとした思い付き。 単なるふとした思い付き。

単なるふとした思い付き。

本当に綺麗だった。

何より、綺麗なものを「綺麗だね」と言い合える友人と一緒に

ノンビリと歩いていけることが嬉しかった。









桜を見ていると、実にさまざまなことを思い出す。



学生時代、桜の木の下で馬鹿騒ぎしたこと。

失恋後に友人から誘われていった初合コン、途中で抜け出して、

桜を見ながらとある看護婦さんと語った恋バナのこと。

ずっと好きだった人とやっと初めて花見に行ったとき、彼女が作ってきた「うなぎの

卵焼き」のこと。

桜舞い散る木の下で、近く訪れるであろう別れの時を感じながら苦いビールを

飲んだときのこと。





そりゃさ、もう40になる男さ。

桜には色々な思い出はある。




でも。

振り返っても過去は戻らない。



だから。

今年の桜を大事にしよう。

来年の桜を楽しみにしよう。



晩御飯を食べたロイホで、ドリンクバーでお茶を何杯も飲みながら、

そんなことを考えていた。