昨日ついに、念願の映画「ゴールデンスランバー」を観てきた。
このブログでもときどきこの映画のことを書いてきたし、
最近の自分のブログタイトルも、実はその原作小説の中に出てくる「セリフ」
から引用してきた。
自分、
着々と、布石を打っていた。
もう、そのくらい楽しみな映画だった。
改めて、その映画予告編。
今まで伊坂作品を常に愛し、その映画化については常に懸念し、うち2作はガッカリ
し、4作はまぁまぁだったり、映画が大好きになったりした。
さて、この「ゴルスラ」はどうだったろう?
結論から言おう。
最高に良かった!
まずは何より、原作の雰囲気を丁寧に、忠実に、再現されていた。
さすが、中村義洋監督!
「アヒルと鴨のコインロッカー」も実に忠実に、そして「ああそうか、その手が
あったか」と思わせる(逆にそれ以外に思いつかない)形で映像化に成功させたし、
「フィッシュストーリー」に至っては、原作よりも素晴らしい作品に作り上げた。
(原作は短編だったし、その膨らませ方が良かったという見方もあるが・・・。)
細かい設定はさすがにカットされていたけれど、大事な部分はきちんと残し、
思い入れのあるシーンはことごとく忠実に再現されていた。
また、どの役者さんも、さすがと思わせる演技だった。
七美役の子役も、「クールだねぇ」といった素直なものだったし、
他の役者さんもみんな上手い。
その上で書こう。
やはり堺雅人はスゴイ。
最初は明らかにお人好し丸出しキャラだったのに、事件が進んでいくにつれ
顔の表情が厳しく、凛々しく、そして清々しくしくなっていく。
一つの作品の中で、こんなに違って見せられるなんて、やはりスゴイ。
彼についてはNHKの大河ドラマ「新撰組」の山南敬助役からしか知らないけれど、
本当に「賞賛に値する」。
(あ、たしかそういう花言葉を持つ花があった気がするんだけどなんだっけ?)
以下、ネタばれを書く。
小説既読の人でこれからこの映画を観たい人は、今回はここで見終えて欲しい。
(普段、自分のレビューはできるだけネタばれにしないようにしているが、
今回は書きたいように書くのさ!)
さ~て。
ここからが、今日のブログだ。
さぁ、読むがいい!(何、このノリ?)
まずは、原作と映画の違い。
・セキュリティポッドの設定がなくなっている。
・「平野」「将門」の二人がいなくなっている。
・小説第3部「事件から20年後」がなくなっている。
・なので、そのルポライターが誰かが分かるエピソード(アメリカとか若者とかの件)も
なくなっている。
・青柳が失職中ではなく、宅配業に就いたままである
(宅配業者のロゴがいかにも仙台(伊達政宗)で笑った)。
・なので、青柳と小梅の出会う場所が違う。
・青柳はキルオの死後まで、キルオの名前を知らなかった。
・森田の「ふられたときの予行演習」や「合宿に行ったとき、シャンプーとリンスを
取り違えさせるいたずら」のエピソードがなくなっていた。
などなど(ちょっと思い出しただけでもこれだけある)。
もちろん他にもいろいろあると思うが、さすが原稿用紙1000枚以上の原作を
2時間半以内に収めただけのことがある。
そして、追加されたエピソード。
「i pod」!
これは原作にはないものだ。
だが、森田→青柳→カズ→樋口→青柳と、あの時代の4人の手に、まるで箱根駅伝
のタスキのように受け継がれていく。
それはまるで、彼ら4人の信頼関係を象徴する「モノ」であり、同時に、その信頼に
よって青柳の命を救った「モノ」。
気の利いた、実に心ニクイ演出だった、と思う。
引き算と足し算を細かく計算して、原作をより洗練されたものに作り変えていた。
思い入れのある作品。
思い入れのあるシーン。
歳のせいか涙もろい自分は、その思い入れのあるシーンの都度、涙を流した。
隣の席に座っていた自分の「最新の友人」にはナイショにしたつもりだ。
(バレちゃったけど)。
特に印象的なシーンは、伊東四郎の例のシーンやその放送を青柳と一緒に観ていた
「でんでん」の嗚咽シーン。
もう、泣きながら笑った。
笑いながら泣いた。
ああそうさ。
俺は泣きたいときに泣く男さ!
さすが中村監督。
いいものを作ってくれた。ありがとう。
斉藤和義のBGMも良かったと思う。
エンディングの「幸せな朝食 退屈な夕食」を除いては、だけどね。
(曲単体としてはけっして悪くない曲だと思うけれど、映画のエンディングの曲として
は、映画が終わった余韻を台無しにした気がする。
ごめん、自分映画を観た後、しばらく放心するのが好きなのだ)。
まぁでも総じて言えば。
たいへんよくできました!
(この映画を観たブロガーの多くが使っている言葉だろうことはいうまでもない)。
<おまけ>
昨日家に帰ってテレビをつけると、テレビでは「フラガール」をやっていた。
すごいなぁ。この映画、何回観ても同じシーンで心を揺さぶられる。
邦画、頑張れ!
とりあへず、「のだめ」と「トリック」は観たいぞ。
このブログでもときどきこの映画のことを書いてきたし、
最近の自分のブログタイトルも、実はその原作小説の中に出てくる「セリフ」
から引用してきた。
自分、
着々と、布石を打っていた。
もう、そのくらい楽しみな映画だった。
改めて、その映画予告編。
今まで伊坂作品を常に愛し、その映画化については常に懸念し、うち2作はガッカリ
し、4作はまぁまぁだったり、映画が大好きになったりした。
さて、この「ゴルスラ」はどうだったろう?
結論から言おう。
最高に良かった!
まずは何より、原作の雰囲気を丁寧に、忠実に、再現されていた。
さすが、中村義洋監督!
「アヒルと鴨のコインロッカー」も実に忠実に、そして「ああそうか、その手が
あったか」と思わせる(逆にそれ以外に思いつかない)形で映像化に成功させたし、
「フィッシュストーリー」に至っては、原作よりも素晴らしい作品に作り上げた。
(原作は短編だったし、その膨らませ方が良かったという見方もあるが・・・。)
細かい設定はさすがにカットされていたけれど、大事な部分はきちんと残し、
思い入れのあるシーンはことごとく忠実に再現されていた。
また、どの役者さんも、さすがと思わせる演技だった。
七美役の子役も、「クールだねぇ」といった素直なものだったし、
他の役者さんもみんな上手い。
その上で書こう。
やはり堺雅人はスゴイ。
最初は明らかにお人好し丸出しキャラだったのに、事件が進んでいくにつれ
顔の表情が厳しく、凛々しく、そして清々しくしくなっていく。
一つの作品の中で、こんなに違って見せられるなんて、やはりスゴイ。
彼についてはNHKの大河ドラマ「新撰組」の山南敬助役からしか知らないけれど、
本当に「賞賛に値する」。
(あ、たしかそういう花言葉を持つ花があった気がするんだけどなんだっけ?)
以下、ネタばれを書く。
小説既読の人でこれからこの映画を観たい人は、今回はここで見終えて欲しい。
(普段、自分のレビューはできるだけネタばれにしないようにしているが、
今回は書きたいように書くのさ!)
さ~て。
ここからが、今日のブログだ。
さぁ、読むがいい!(何、このノリ?)
まずは、原作と映画の違い。
・セキュリティポッドの設定がなくなっている。
・「平野」「将門」の二人がいなくなっている。
・小説第3部「事件から20年後」がなくなっている。
・なので、そのルポライターが誰かが分かるエピソード(アメリカとか若者とかの件)も
なくなっている。
・青柳が失職中ではなく、宅配業に就いたままである
(宅配業者のロゴがいかにも仙台(伊達政宗)で笑った)。
・なので、青柳と小梅の出会う場所が違う。
・青柳はキルオの死後まで、キルオの名前を知らなかった。
・森田の「ふられたときの予行演習」や「合宿に行ったとき、シャンプーとリンスを
取り違えさせるいたずら」のエピソードがなくなっていた。
などなど(ちょっと思い出しただけでもこれだけある)。
もちろん他にもいろいろあると思うが、さすが原稿用紙1000枚以上の原作を
2時間半以内に収めただけのことがある。
そして、追加されたエピソード。
「i pod」!
これは原作にはないものだ。
だが、森田→青柳→カズ→樋口→青柳と、あの時代の4人の手に、まるで箱根駅伝
のタスキのように受け継がれていく。
それはまるで、彼ら4人の信頼関係を象徴する「モノ」であり、同時に、その信頼に
よって青柳の命を救った「モノ」。
気の利いた、実に心ニクイ演出だった、と思う。
引き算と足し算を細かく計算して、原作をより洗練されたものに作り変えていた。
思い入れのある作品。
思い入れのあるシーン。
歳のせいか涙もろい自分は、その思い入れのあるシーンの都度、涙を流した。
隣の席に座っていた自分の「最新の友人」にはナイショにしたつもりだ。
(バレちゃったけど)。
特に印象的なシーンは、伊東四郎の例のシーンやその放送を青柳と一緒に観ていた
「でんでん」の嗚咽シーン。
もう、泣きながら笑った。
笑いながら泣いた。
ああそうさ。
俺は泣きたいときに泣く男さ!
さすが中村監督。
いいものを作ってくれた。ありがとう。
斉藤和義のBGMも良かったと思う。
エンディングの「幸せな朝食 退屈な夕食」を除いては、だけどね。
(曲単体としてはけっして悪くない曲だと思うけれど、映画のエンディングの曲として
は、映画が終わった余韻を台無しにした気がする。
ごめん、自分映画を観た後、しばらく放心するのが好きなのだ)。
まぁでも総じて言えば。
たいへんよくできました!
(この映画を観たブロガーの多くが使っている言葉だろうことはいうまでもない)。
<おまけ>
昨日家に帰ってテレビをつけると、テレビでは「フラガール」をやっていた。
すごいなぁ。この映画、何回観ても同じシーンで心を揺さぶられる。
邦画、頑張れ!
とりあへず、「のだめ」と「トリック」は観たいぞ。