ウルキオラ 勝手に前世ストーリー~② | デビルメイクライMAD STYLE ダンちゃん&バーちゃん4コマ劇場

ウルキオラ 勝手に前世ストーリー~②

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異なる民族が、それぞれの神話や伝説という、とてもあいまいなものを根拠に、ひとつの土地をめぐって争う歴史は、終わることの予兆さえ見せない
オリーヴィアはウルの本当の兄妹ではない。彼がまだ小さいころ、父親が出遭った女の腕に抱かれていた。

女ははるか東のバルカンから逃れた一族だった。長い放浪の末たどりついたフランス南部の村でオリーヴィアをもうけた。しかし、この村が彼ら移民を快く受け入れていたわけではなく、政情の不安からおこる疑心暗鬼の念が異なるものたちの排除という行動に走らせる。暴力と迫害から逃れ、幼い子をかかえてピレネーを越えたとき、女はすでに死に瀕していた。
哀れな親子にでくわしたのが国境の偵察にあたっていたウルの父親だった。彼が女の腕から幼子をひきとると、彼女は絶えた。女は彼の手によって、野の花の下に眠った

その時代の哀しさは、傲慢なファシストのためだけではなく、「普通の人々」にある残忍性の顕在化にもあった。人々は自分たちを「善」とし、対峙するものを「悪」として置いておくことでしか、こころの安定を感じられない、そんな時代だった

月日を経ていま、ウルはその善悪のあいまいさを感じていた

祭りもひいたその夜、ウルとアサーニヤは村のはずれの「秘密の場所」にいた。小さいころから二人が遊んだ場所で、いたずらをしたときでも恰好の隠れ家になっていた。「今年のワイン、もってきたよ」とアサーニヤが上着の内側から出すと、ウルもポケットから「つまみにヤギのチーズはどうだい」と差し出した。

他愛も無い話をふととぎらせ、アサーニヤが真剣な顔つきになった。「川下の街は落ちた。役人が金で動かされたんだ」「聞いた。でも血は流れなかったって・・・」「なんかきれいごと言ってるな。家族や仲間を守るために戦わなければいけないときもある。犠牲を払わなければならないときもある。今俺たちが守ろうとしているのはB民族としての誇り、血、魂そのものなんだ。無血でなんとなく収まっているように見えても、魂は失われたも同然さ!」
ウルには反論できなかった。彼もまたそのために戦っている、はずだったから

彼らの村の境界に、鉄の塊のような2輪車を数台従えた黒い装甲車が止まったのは、それから数日後のことだった

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