少し気が早いのですが、テシオ理論を語る上で、非常に興味深い種牡馬が導入されているので取り上げたいと思います。
ブリックスアンドモルタル
社台SSさん、お借りします
社台SSが新たに導入した米国芝中距離の大物種牡馬です。2019年エクリプス賞・年度代表馬。ダードが主流のアメリカで芝馬が年度代表馬になることは凄いことです。
サンデーサイレンスの時もそうだが『なぜコレほどの馬が日本に?』と思いました。サンデーの場合は血統が地味だったからですが、彼の場合はダート王国アメリカ、芝馬の種牡馬としての評価はどうしても低くなってしまうので、これほどの馬であっても種牡馬入りは容易ではないようです。もちろん社台グループの高額オファーがあったことは事実でしょう。
あくまでも個人的な見解ですが、吉田照哉氏の思惑は、父ディープインパクト牝馬が続々と繁殖に上がる昨今、母父Storm Cat との黄金配合、その逆を狙っての導入、他のサンデー系、キンカメ系牝馬との配合を狙っての導入だと思います。
こう書いて思い出すのは、ひと足先に本邦に導入され、すでにジオグリフが重賞を勝ち、上々のスタートを切ったドレフォンです。彼もStorm Cat系です。
ブリックスアンドモルタル 2014.3.2 黒鹿毛
JBISさん、お借りします
競走成績 13戦11勝 G1・5勝
主な勝ち鞍
ペガサスWC(米G1芝9.5F)
ターフクラシックS(米G1芝9F)
マンハッタンS(米G1芝10F)
アーリントンミリオン(米G1芝10F)
BCターフ(米G1芝12F)
対象祖先
父ジャイヤンツコーズウェイの0遺伝で母系に優先は流れます。優先種牡馬は活性値⑤のOcean Crestです。
Ocean Crest の競走成績の詳細は不明ですが、デルマーダービー(米G2・芝9F)勝ちなど10戦3勝、芝中距離で走った馬のようです。
遺伝深度は⑤、対象祖先はBold Reasoningになります。
Bold Reasoning
12戦8勝、主な勝ち鞍は、ジャージーダービー(米・芝1700)ウィザーズS(米G3・ダ1800)
疝痛のため、3世代を残しただけで安楽死となりました。そのなかから、米国3冠馬Seattle Slew、Super Concorde、グランクリテウム(仏G1・芝1600)モルニ賞(仏G1・芝1200)を輩出しており種牡馬としての能力の高さが伺えます。
芝・ダート兼用で短距離から中距離を得意とする産駒を輩出しています。デビューした産駒は70戦、60戦とタフに走った馬が多かったようです。
適性
芝・マイル〜中距離。レース動画を見る限り、一瞬でギアが変わる抜群の瞬発力は、上り勝負の『よーいドン!』な日本の競馬にマッチしそうです。
耐力
ボトムライン活性値は(22/32=69)で充分、使い減りしない丈夫な馬ですから、遠征・輸送・連戦にも耐えることが出来たと思われます。
その証拠に、デビュー2戦目から月1走のペースで5戦3勝、大怪我の手術からの休養明け1年間で7戦全勝うちG1・5勝という超タフネスぶり、これもボトムライン活性値の高さが成せるワザ。
配合
父・Ne0・ストームバード系
母父・Ne・ストームバード系
母母父・Ec・エクリプス系
母母母父・Ee・エクリプス系
血統表上はStorm Birdの3×3という強烈なインブリードクロスが目に飛び込んできますが、ブリックスアンドモルタルとジャイヤンツコーズウェイは0遺伝の関係にあり『真っさらな血』ですから、Storm Birdのインブリードクロスを回避出来ていますし、Prince Johnは母型内で完結しているためインブリードクロスではありません。したがって本馬はアウトブリード扱いとなります。
ネアルコは母父の1本のみで母母父、母母母父でエクリプスが2本、父はネアルコ0ですから、ネアルコから遠ざかることに成功した非常に良い配合です。
テシオ理論を知ってか知らずか解りませんが、知っているとしたら、目のつけどころが『さすが社台!』といったところですね。
唯一気になるのは母方のノーザンダンサーです。
・・Northern Dancer 1961.5/28 ⑧
・Storm Bird 1978.4/19 -④
Ocean Crest 1991.2/26⑤
5代目に下がりはしますが、種付時には活性値の高いノーザンダンサークロスが常に有効に働くため、その弊害には注意する必要があります。
大成功の予感
カリフォルニアクロームと違って(私見です)、配合出来る牝馬の幅が広く、大成功の可能性があります。特にディープインパクト牝馬との配合は、言わずと知れた黄金配合の逆バージョンですから、超大物の出現もありそうです。
2021年産 母父ディープインパクト
調べてみたところ12頭みつけました。
アッフィラート、アルマンド、オーマイベイビー、サトノユリア、ヒーラ、ベラルーナ、ラッシュハート、サザナミ、トーホウルス、ハナレイムーン、ブリッツフィナーレ、プリモンディアル
ランズエッジの2021(牡)
出資馬ランズエッジの2020の半弟が当歳セレクトで1億50万😱、ブリモル産駒最高額で落札❗️馬主はステラヴェローチェ、マテラスカイの大野剛嗣氏。
その他には、ソウルスターリング、サラフィナ、レーヌミノル、アニメイトバイオ、エンジェルフェイス、ナックビーナス、ロフティーエイム、マキシムドパリなどがいます。
サンデーサイレンス以来の衝撃!とまでは解りませんが、クラブで募集されたら『新種牡馬は買わない』というマイルールを破っても、積極的に取りに行きたいと思わせる魅力的な種牡馬です。
最後までお読み頂きありがとうございました。