先月の古事記素読コースでは大国主神の国譲りの部分で「うしはく」という語句の説明がありました。これは神社検定公式テキスト・要語集の中の項目の1つで、こんな細かいことは出題されないだろうとは思っていましたが、実際、出題されたのです。
『古事記』は、やまとことば=話し言葉で書き記されてはいますが、1300年前のことなので、現代に直結している言葉とは言えません。
現代では使われなくなった言葉
同じ音ではあるが意味が違っている言葉
現代でも通じる言葉
が混在しているのです。
それが理解しにくくもあり、味わい深くもあるのです。
「うしはく」、「しらす」という2つの言葉は、単純には両方とも「国を治める」ということです。
本居宣長の『古事記伝』によれば
うしはくある地方の土地・人民を我が物として、即ち我が私有物として領有支配すること。
しらす人が自己以外のが遺物と接する場合、即ち見るも聞くも嗅ぐも飲むも知るも、みな自分以外にある他の物を我が身の内に受け入れて、気持ちの上で、他の物と我とが1つになること、即ち自他の区別がなくなって1つに溶け込んでしまうこと。
武甕槌神(たけみかづちのかみ)は
あなたが、
うしはいている葦原中津国は、わが御子が
しらすべき国であると天照大御神が申されているが、あなたのお考えはいかがであるか承りたい
と大国主神に迫るのです。
この2つの言葉を単純に「治める」としては、台無しでしょう?
現代の天皇陛下のお言葉の中に「国民と共に」があります。これが「しらす」の心であると思うの
です。
