フライトイレギュラー2は、台風ではなく、2023年の春一番(2月19日)です。

この日は、福岡空港の門限問題が広く知られるようになったUターンフライトが発生した日でした。このときは幸い、私自身はフライトイレギュラーに巻き込まれてはいません。ただ、門限問題を含めて教訓が多い日だったので、日記をもとにまとめてみます。

福岡空港の門限問題は、福岡単身赴任者の泣き所です。具体的には、朝7時から夜22時までしか離着陸が認められていません。

福岡発便の場合、だいたい21時過ぎが最終便になります。これは、それほど問題ありません。福岡を21時過ぎに出発すると、羽田着は22時30分から23時になり、空港からの移動を考えるとほぼ終電コースになるからです。これより遅い便があっても、実際上はほとんど使い物になりません。

問題は福岡着便です。羽田発福岡行の場合、最終便は20時発で、スカイマークとスターフライヤーの2社が20時発便を運行しています。ANAの最終便は19時45分前後、JALの最終便は19時30分前後です。ANAとJALは飛行機が大きいのでどうしても搭乗に遅延が生じがちですし、JALは2018年11月に最終便でオーバーブッキングをして、出発が遅れた挙げ句、門限に間に合わないと判断して欠航したというケースがあるので、特に慎重な時刻設定になっているのかもしれません。

2018年のケースでは出発前に欠航になりましたが、2023年2月19日のJAL331便は、実際に飛行機は福岡空港の近くまで飛んだのに、門限に間に合いませんでした。その結果、飛行機はUターンして23時頃に関空に着陸、しかも関空で乗客は降りられず、燃料を補給して羽田に飛び、羽田着が朝3時だったということです。この件は大きく報道されました。

この日は日曜日で、私は帰宅先の東京から福岡に戻るため、飛行機移動でした。乗ったのは、羽田20時発の福岡行き最終便、スターフライヤー55便です。

 

この日、関東では春一番が吹き、日中の羽田空港の離着陸は強風のために大きく乱れていました。私が乗る予定のスターフライヤーは定刻通りでしたが、同じ第1ターミナルから出るJALの福岡行きは大幅な遅れが出ていて、大変だなぁと思ったのを覚えています。しかし、まさか門限に間に合わないとは思いませんでした。

さて、福岡空港に門限があるのは、都市のど真ん中に空港があるためで、便利さの裏返しなので仕方ありません。10年ほど前に、海上に新空港を作る構想もありましたが、結局今の場所の方が便利だからということで、その構想は消えています。場所の便利さを取った以上、騒音防止のための門限はやむを得ないところです。門限が21時の伊丹空港よりマシだと思うしかありません。

ただ、利用者からすると、福岡付近まで飛んだものの関空経由で羽田に戻されるとなると、ちょっと悲しいものがあります。たとえば北九州空港に目的地を変更してくれれば、その日のうちに北九州市内までは出られるでしょうから、私のような福岡勤務の人でも翌日普通に出社することが十分可能です。けれど、羽田に朝3時に着くとなると、羽田6時過ぎの始発便に振り替えれば8時台に福岡空港に着くとはいえ、現実問題としてその日は使い物にならないでしょう。

では、こういう深夜のイレギュラー時のダイバート先がどこの空港になるのかとなると、選択肢は多くありません。日本で深夜に着陸できる空港は少なく、福岡絡みの便が深夜にダイバートできるのは羽田、セントレア、関空、北九州くらいしかないからです。このときのJAL331便は関空経由羽田で、結局出発地に戻っています。過去には、別の会社でセントレアに向かったケースもあるようです。

では、ダイバート先はどこになる可能性が高いのでしょうか。公式にこうだ、というのはないのですが、ダイバート先をいくらか予想することはできます。北九州空港にダイバートしてくれる確率が高そうなのは、スターフライヤーです。何しろスターフライヤーの本拠地は北九州空港ですし、機材も全部A320である上、北九州空港発着の深夜便を飛ばしているので人員も配置されていて、いろいろな面で問題がなさそうだからです。

また、JALも、このとき羽田にUターンしたのを契機に北九州空港を代替空港として使うように整備したようで、2023年6月11日のJAL331便は、福岡空港の門限に間に合わないとして最初から目的地を北九州空港に変更して出発し、その日のうちに北九州空港に着いたようです。今後もこの運用が定着するようなら、安心度は増します。ただ、またしても331便というのが引っ掛かります。JALの331便はそんなに運用がタイトなのでしょうか。こう何度も特定の便がトラブルになると、この便は避けた方がよいのかな、という気になってしまいます。

これに対してANAは、北九州空港に就航していないので、北九州にダイバートすることは緊急事態を除けば多分ありません。ただ、2023年の株主総会で、福岡空港の門限問題に関連して、羽田発福岡行きの最終便付近の便は遅延しにくい運用の飛行機を使っていると説明したという報道がありました。もっとも、ANAは最終便間際の1時間に3便くらい設定があるので、その全部の便が余裕のある運用になっているのかどうかまでは、よく分かりません。

ということで、最悪どうなるのかという点については各社様々なのですが、そもそもできることなら、乗る前からそんな便は避けたいものです。そこで、福岡空港の門限に関するルールをネットから拾ってみると、

・天候不良や空港混雑などの不可抗力で22時を過ぎる場合は、救済されることがある。ただし、大幅に遅くなるときはダメ
・航空会社理由の遅延は、22時を1分でも過ぎると救済されない

というようなもののようです。これは、実際悪天候時に22時を過ぎて着陸する便に乗ったことがあるので、多分そうなのだろうと思います。そして、航空会社理由の遅延が救済されないのも、今回の件で実証されました。このほかに、

・最終便については救済されやすい

というのもネットで見かけましたが、原資料を見つけられなかったので真偽不明です。

ともあれ、このような運用ルールだとすると、福岡行きの最終便近くの飛行機が遅延になっている場合、大幅な遅延でなければ、遅延理由が重要ということになります。その遅延理由が「悪天候による出発遅れ」「悪天候による使用機材到着遅れ」「羽田空港滑走路閉鎖による出発遅れ」というようなものであれば救済の可能性があるのに対して、「機材繰り」「飛行機の整備」「貨物積込遅延」というようなものであれば救済されない可能性が高いということになるからです。

紹介したUターン事例でも、JAL331便とほぼ同じ時刻に福岡上空に着いた他の飛行機はみな着陸しています。この日は各社ともそれなりに飛行機が遅れていて、その主たる原因は春一番の強風による遅延だったので、22時15分くらいまで、福岡空港に着陸する飛行機はあったのです。JALの場合、より遅い時刻に出発する333便や335便も門限後の着陸を認められています。それなのに331便が着陸を許可されなかったのは、遅延の理由が機材繰りなどの航空会社理由だと判断されたためだと報道されています。

逆にいえば、搭乗する前から遅延理由に目を光らせることで、不測の事態を避けられるかもしれないということです。スカイマークやスターフライヤーはそこまで便数が多くないので難しいですが、ANAやJALなら、夕方18時以降、最終便までに、4~5便程度の飛行機が飛びます。その中に1つだけ、航空会社理由で遅延になっている便があって、それが自分の予約便だったら、アプリで振り替えができればさっさと振り替えをし、アプリで振り替えが無理でも空港のカウンターで前後の便への振り替えを交渉する価値はあります。振替先の便に空きがなければどうにもなりませんが、こういう場合は経験上、空きさえあれば、柔軟に対応してくれることも割とあります。

というわけで、自分自身は巻き込まれずにすんだものの、あわやサバイバルかという日の経験でした。単身赴任をしていると、こういう妙な経験と知識が増えていきます。決して積極的に活用したくはないですが、知らずにひどい目に遭うのはもっと辛いので、増えた知識をもとに、また次の予約を取ろうと思います。