2024年は波乱の幕開けでした。1月1日に地震、2日に羽田で航空機事故という中、私はというと、1月2日と3日の2日間、福岡で待機要員として勤務していました。年末はカレンダーどおり休みに入って元旦までは東京で家族と過ごし、元旦の最終便で福岡へ。この時点で北陸地方の地震は既に発生しおり、何という新年のスタートだと思いながら飛行機に乗って、福岡に行きました。

 明けて2日、仕事の方は何事もなく、無事待機要員を務めました。日も沈んで、寂しい夕食をとるかと思っていた頃に、羽田の事故が速報されてきました。月に何度も飛行機に乗っているので、明日は我が身です。しかも、この事故で焼け落ちてしまった機体には、多分私は何度もお世話になっています。自分自身は事故にあっていなくても、何度も乗ったであろうその機体が炎に包まれるというのは、何とも現実感のない、不思議で、そして恐ろしいことでした。

 この事故で亡くなった海上保安庁の方々には心からお悔やみを申し上げますし、全員が生還した日本航空機の乗客乗員の方々にも心中いかばかりかと思います。

 他方で、この事故は、私自身にも大きな影響があるできごとでした。正月休みに仕事が入ったかわりに、成人の日の3連休は完全に休みで、続く火曜日も公休というシフトであり、1月5日金曜日の夜、福岡から東京に飛ぶ便を予約していたからです。しかもこの3連休に、正月を仕事で潰した埋め合わせで温泉旅行を入れており、それを家族で楽しみにしていました。なので、とにかく5日に東京に帰れないと洒落になりません。しかし、事故の影響で羽田空港のC滑走路は閉鎖が続き、処理能力が低下した羽田空港絡みの便は欠航に大幅遅延にと、散々な状況でした。

 そもそもがUターンラッシュの時期です。事故当日の夜の便が軒並み欠航や引き返しになった余波が翌日以降に及ぶ上、すぐに3連休で連日満席という状態の中、予約している飛行機が飛ばなかったら、振り替えは絶望的です。最悪の場合は新幹線の最終で東京に帰ろうかなどと思って、1月5日を迎えました。

 私が持っていたのは、1月5日19時55分福岡発の、ANA270便の予約でした。1月5日朝の時点で、1月5日の福岡発東京行きのANA便は3~4割の欠航が決まっていましたが、この便は運良く運行予定でした。同時間帯のJAL便は欠航でしたし、この辺はもう、運としか言いようのない領域です。ともあれ今回は運良く、自分の乗る予定の便は生きています。

 ANAアプリから運行状況を検索してみると、通常この便は本来、福岡19時05分着のANA265便の折り返しのようです(機種からの推測)。ところが、この日、ANA265便は早々に欠航が決まっていました。他方で、同じ機種で運行されている福岡15時35分着の255便は通常運行で、通常その折り返し便になるはずの福岡16時20分発のANA260便は欠航になっていました。つまり、15時35分着の飛行機をそのまま福岡に留置して、270便に回すということのようです。どうしてそうしたのか理由は不明ですが、とにかく自分の乗る飛行機は欠航を免れ、しかもかなり早くに福岡空港に着いている機体ということになるので、大幅遅延のリスクも少なそうでした。

 そして実際、20分程度の遅れで福岡空港を出発し、30分遅れで羽田に着くことができました。この状況の中ではそれ以上ない、当たりくじを引き当てたようです。これまでのフライトイレギュラーは、スマホのアプリとにらめっこして代替便に変更ができたり、それが無理でも株主優待運賃で他社便の席を確保できたりと、立ち回りといくらかのお金で解決できるものでした。しかし今回は、ここで欠航便に当たってしまったら、時期的にも予約の詰まり具合からも、代替便をどうにか確保するのは絶望的で、あとは博多駅から新幹線に乗るぐらいしか手段がないという意味で、追い込まれ具合が段違いでした。



これまで台風やら大雨やらで散々予約便欠航の憂き目にあってきましたが、今日無事帰れたので全て水に流そうと思ったのでした。