私が単身赴任になったのは、去年(2022年)の4月。このときから、単身赴任を中に特定支出控除を使えないだろうかと考えていました。けれど結論的には、単身赴任1年目にこの制度を使うのは難しく、断念しました。

 

理由は簡単で、税金の年度が世間一般の年度とずれているからです。特定支出控除は、ある年の1月から12月までの特定支出の合計額が、給与所得控除の額の2分の1を超えないと使えません。このハードルが非常に高く、早見表的にざっくり紹介すると、額面年収に対する給与所得控除額は、次のようになります。

 

額面給与 給与所得控除額 その半額
400万円 124万円 62万円
600万円 164万円 82万円
800万円 190万円 95万円
850万円超 195万円 97.5万円

 

通常はこのハードルが超えられないので、特定支出控除は使えないといわれるわけです。

 

しかし単身赴任者の場合、単身赴任先と自宅とを行き来する際の帰宅旅費(交通費)が特定支出になるので、これを1年分寄せ集めると、結構な金額になります。そこに、職種にもよりますがよく例に挙げられるスーツ代などもあわせると、このハードルを突破する可能性が出てくるわけです。

 

ところが、税金の世界でいう1年分の支出というのは、1月始めの12月締めです。

 

4月異動で単身赴任になると、単身赴任1年目は4月から12月までの特定支出で勝負しなければいけません。しかし、9か月でこれだけの交通費を支出するのは、不可能ではないにしても相当なお大尽です。概算した結果無理だと判断して、令和4年分所得の確定申告で特定支出控除を使うことは早い時点で諦めました。

 

この方式には不満もあります。これだと、たとえば3年間単身赴任しても、1年目の4月から12月までと、3年目の1月から3月までは、結局特定支出控除の対象外になってしまうからです。でも、この対象外の2つをあわせるとちょうど1年分になり、しかもその合計額が給与所得控除額の半額を超えるとすれば、現実にはそれだけの負担があるのです。年単位で確定申告する以上、どこかで区切らないといけないのは理屈としては分かるのですが、ちょっと釈然としません。

 

ともあれ、1年分の特定支出をフルに積算できる令和5年、満を持して特定支出控除にチャレンジすることにしました。

 

私の場合、主な特定支出は帰宅旅費とスーツ代になります。それぞれに悶着があったので、今後それも紹介していきます。

 


この記事は税に関する内容を扱っていますが、内容は無保証です。紹介している制度や具体的な控除額などは改正されることがあります。当ブログの情報により判断を誤ったとしても筆者は責任を負えませんので、予めご了承ください。