とっても久しぶりの投稿ですニコニコ

美術も音楽やオペラも、ごくまれに歌舞伎も鑑賞していますが、なかなかレビューする余裕がありませんアセアセ

今年に入って仕事が立て込んで徹夜することもあったり、
メインの趣味は歌うことなので、週末はレッスンや自主練習などが多く、
友人や恩師の演奏会に足を運ぶ機会もあり、
自分の本番もあり、
というわけで休日がなくなることもしばしば。。。ショボーン

でも仕事が早めに終われば、眠くても美術館に駆け込んでリフレッシュキラキラ

しかーし、発信の気力まではナシ、というわけです。

そんな中、先日、オペラ鑑賞が好きな人たちのサークルで、少人数での会合があり、会食とレクチャーコンサートの鑑賞をしました。
その報告を会報に書いてほしいという依頼があったため、がんばって書きました筋肉アセアセアセアセアセアセ

そしたら、なんだか思っていたよりも長文に、、、宇宙人くん

仕事でもないのにこんなにチカラを入れて書いてしまったからには、コンサートのレビュー部分だけでも自分の覚え書きとして、ブログにアップしようと思いまして。

せっかくアップするならば、オペラに馴染みのないかたにもわかりやすいように、作曲家名や歌劇場の名称、都市名、国名などの加筆をしたり、ブログとして見やすいように改行を入れたりと、編集しました。

とっても長文です。
ブログのプレビュー見て、自分でも驚きましたアセアセ

では、始まり始まり〜ルンルン


     くまクッキーピンクハートくまクッキーピンクハートくまクッキーピンクハートくまクッキーピンクハートくまクッキーピンクハートくまクッキーピンクハートくまクッキー


6月29日のことです。
東京オペラシティのル・パン・コティディアンにてブランチをいただいてから、新国立劇場オペラパレスに向かいました。



ここ最近、なかなか公演鑑賞に時間を割けなかったのですが、その中でも5月から6月にかけて、新日フィルの上岡さん指揮のオケのみのワーグナープログラムと、友人が合唱で出演した3公演を鑑賞できました。
日フィルのラザレフ指揮のマスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」と、アマオケで海老原光さん指揮で坂井田真実子さんと与那城敬さんがソリストをつとめた合唱曲のツェムリンスキー作曲「春の埋葬」、そしてミクロコスモスの久保田先生指揮オッフェンバックのオペレッタ「チュリパタン島」です。

映画館では、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)のプレティ・イェンデ、カマレナ出演のドニゼッティ作曲「連隊の娘」、英国ロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)のネトレプコ、カウフマン出演で話題のヴェルディ作曲「運命の力」を映像ながらも鑑賞できました。

この日はオペラパレスにて、「大野和士のオペラ玉手箱with Singers Vol.2『#トゥーランドット』」を鑑賞しました。

7月の新国立劇場、東京文化会館、びわ湖ホールと、8月の札幌文化芸術劇場 hitaru(昨年10月開館)のプッチーニ作曲「トゥーランドット」本公演に先駆けてのレクチャーコンサートです。
レクチャーコンサートとは思えないほど、規模が大きくて驚きました。

ピアノを弾きながらの大野さんのお話と歌手7人の歌唱という豪華な内容で、充実した公演でした。

出演されたのは、トゥーランドットのオクサナ・ノザトワさん(カヴァー。ウクライナ出身)、カラフの工藤和真さん、リューの光岡暁恵さん、ティムールの妻屋秀和さん(本役)、そしてピン・パン・ポンはすべて本役の、森口賢二さん、秋谷直之さん、糸賀修平さんでした。




アトレ会員のため早めにチケットを手配できたからか、6列目だったので、大野さんや歌手の方々の表情を間近で楽しむことができました。

1階席は後方までびっしり埋まっていました。
当初2階席は25歳以下の優待メンバーズのみの予定だったようですが一般向けの追加販売があったほどの盛況でした。

2時間の予定のところ、しっかり延長の2時間半の公演でしたが、楽しくてあっという間でした。
大野さんのピアノで歌手のみなさんが歌い上げて1幕から3幕の場面を再現する形式で、とにかく盛りだくさんでした。
とても贅沢な時間でした。大満足です。

コンサート形式でしたが、本役とカヴァーの方々は譜面台なしで立ち稽古どおりに演技して臨場感たっぷりの歌唱でした。
どのかたも見事でしたが、特にノザトワさんと妻屋さんの迫力が印象に残りました。

今回のプロダクションに参加されていない工藤さんと光岡さんのお二人も熱唱されていました。
工藤さんは初めて知りましたが、高音が輝かしくて、これからどんどん活躍していくテノールだと大野さんがおっしゃるのも納得できました。
まだ20代だとか。お若い!

歌と大野さんのドラマチックなピアノが素晴らしかったうえ、レクチャーもとってもわかりやすかったです。
「伝えたいことがたくさんある!」ということがひしひし伝わってくる、オペラへの愛があふれたお話なので、胸が熱くなりました。

ユーモアたっぷりで、観客の私たちはいつの間にか大いに笑っていました。
オペラにおいて台本作家がいかに重要か、各場面での音楽や情景が他の作品とどのように共通点があるかなど、具体例をまじえた興味深いお話によって、「トゥーランドット」というオペラを、作品として立体的にとらえることができました。

本公演のアレックス・オリエ氏の演出についても、触れていました。
トゥーランドットとカラフのキャラクターの解釈や、ラストでその2人が結ばれて、はたしてハッピーエンドになるのかどうか、ということもわかるような内容です。

特に関心がそそられたのは、リューのキャラクターです。
彼女の役割は天使のような存在だということが音楽的に表されている、ということでした。
リューのアリア「ご主人様、お聞き下さい!」に用いられているチェレスタはイタリア語で「天国的な」という意味であり、彼女が天国からつかわされた天使的な存在だということが音楽によって示されている、というわけです。

また、観客参加型なのもうれしかったです。
場面によって和声や進行などの特徴が他の作品と似ている箇所については大野さんが該当部分の両方の曲を対応させながらピアノで弾いて、「この曲がどの作品(作曲家)かわかりますか?」と客席にクイズを出して、わかったかたに答えてもらうという具合です。

ちなみに答えは「オテロ」、そして別の場面では「ワーグナー」でした。

具体的には、ヴェルディ作曲「オテロ」のイヤーゴのアリア(トゥーランドット1幕の「北京の民よ」の半音階進行と対応)、そしてワーグナー「ワルキューレ」1幕のジークムントがヴェルズングだとわかって退場した直後の音楽(トゥーランドット2幕「異国の者よ、聞くがよい!」の謎かけの緊迫した静寂の音楽と対応)にあたります。
聴けば一目瞭然ならぬ一聴瞭然で、「おお~まさにそうだ!」と視界が開けるような感覚になりました。

聴衆全員参加の機会も2回ありました。

1幕冒頭の首斬り役人の歌唱部分では、合いの手のように合唱の演技が入ります。
大きく「ハー、ハー」と息をつきながら自分の首を手振りで素早くバッサリ斬る演技です。
大野さんのピアノとバリトンの森口さんの歌唱と合図に呼吸を合わせて、全員でパフォーマンスしました。
もう一つは、いざなうようにトゥーランドット姫の登場を促す、清涼剤のような少年合唱の場面です。
やはり観客にメロディーを歌わせてくださって、大野さんの指揮とピアノで歌うという、夢のような体験ができました。

パンフレットに楽譜とイタリア語の歌詞(カタカナの読み仮名つき)がついていたので、なんとなく予感はしていましたが、客席で歌うのは気恥ずかしいかたも多かったはずです。
でも、大野さんに「みなさんに、ぜひこの部分をやっていただきたい」と言われたら、やらないわけにはいきません(笑)
客席からザワザワと苦笑いやためらいの声が聞こえつつも、皆様、結構楽しくパフォーマンスされていたと思います。
大拍手で終演を迎えました。

なお、この日の公演は公式のダイジェスト映像がYouTubeにアップされています。
ダイジェストと言っても約1時間たっぷり見せて聴かせてくれる映像なので、いらっしゃれなかったかたもきっとお楽しみいただけるはずです。



「オペラ玉手箱」では、昨年「魔笛」を取り上げたということで、そちらを鑑賞されたかたにうかがったところ、やはりとてもおもしろかったそうです。
今後もこのシリーズは続くでしょうから、できるだけ足を運びたいと思いました。

実は、早々に完売した本公演を鑑賞する予定はなかったのですが、「オペラ玉手箱」を鑑賞してから行きたくなってしまいました。

運良く公演3日前にチケット救済サイトに売りチケットがアップされ、急遽、新国の初日(7月18日)の公演に行くことにしました。
とっても楽しみです。

*アリアのタイトルの和訳は、パンフレットの表記に準じています。