劇団☆新感線の「五右衛門VS轟天」を観たあとは、劇場のそばにあるベルギービールのお店へ行きました。

こちらは「ギロチン」。
フランス革命200年を記念して醸造されたものなのだとか。
「赤みを帯びた色合いとボディが、血とギロチンを連想させる味わいです」
チェリーの酸味が爽やかなビールも、とっても美味しかったです。
お料理も、とても充実していました。
こちらは一番好きだったもの。

燻製の盛り合わせ。
鴨肉、秋刀魚、帆立、サーモン、カマンベールチーズ、ゆで卵です。
鼻に抜けるスモークの香りが絶妙で、目を閉じて味わいたくなる逸品でした。
美味しいお酒とお料理に舌鼓を打ちながら、話題に上るのはやはり、観たばかりの劇の話。
ひとしきり盛り上がった後は、「歴代の新感線の作品の中で、どれが好きか」という話になりました。
わたしたちの「1位」は、長年揺るぎないものです。
「髑髏城の七人」―――アオドクロ。
血沸き肉躍るストーリー。
素晴らしい音楽とダンス。
美しい衣裳。
そして何より素晴らしいのが、染様!
醸し出す気品と色気、美しい所作、粋な台詞回しに華麗な殺陣。
本物の歌舞伎役者とはこれほど凄いのかと、何度観ても嘆息せずにはいられません。
あまりにも好きな作品が多くて、「2位」は決めがたいのですが…
最高に楽しくて派手な「五右衛門ロック」、
モンテ・クリスト伯をモチーフにした「蛮幽鬼」、
染様と天海祐希さんの夢の共演「阿修羅城の瞳」、
それから、リチャード三世をモチーフにした「朧の森に棲む鬼」。
この作品は、「ゲキ×シネ」として映画館で見ました。
染様が演じる「究極の悪」を、身じろぎもせず固唾を飲んで見詰めました。
ラストシーン。
追い詰められた染様が見せた表情は、あまりにも凄まじく…
わたしの中の「何か」を壊しました。
あんなことは初めてでした。
「本当に痺れた」のです。
頭がぼうっと痺れ、魂が抜けたようになって、体に力が入らず…
しばらく席から立ち上がることができませんでした。
ようやく立ち上がり、劇場を出ても、幽霊のようにふらふらとしていました。
作品の余韻から抜け出せたのは、長い時間が経ってからでした。
そんなふうになったのは、後にも先にも、「朧の森に棲む鬼」だけ。
わたしにとっては、そんな記憶に残る作品なのです。

この先、このランキングを覆してくれる作品にいくつ出会えるでしょう。
それが楽しみで、楽しみで、仕方がないのです。