皆さん

こんばんは😄こんぶです

ご訪問、ありがとうございます



今日は朝から雨☔

最近ずっと雨が続いている
雨の合間をぬって
久しぶりに朝の散歩へと出掛けた

歩道の道端に、いくつか花が咲いていた
私は花はあまり詳しくないが
「あ~綺麗だな」と思い
写真を撮りながら歩いた


その中にひときわ目を引く
真っ赤な花が咲いていた
「これ、彼岸花かな?」


なんとなく分かった
暫くその花を眺めていると
なぜかふっと
遠い昔の景色が浮かんできた



何十年も思い出すことがなかったのに
子供の頃見た景色が
まるで昨日のことの様に
次々と鮮明に蘇ってきた



小学生の頃、学校から帰ると
庭に一匹の野良犬がいた


茶色と黒が混ざったような毛
シェパードみたいな雰囲気だけど

小さい私には少し怖く感じた

恐る恐る近付くと


とてもなつっこい犬だった
首輪もない鎖もないリードもない
どこの家の犬でもなかった

私はその犬を「ノタ」と名付けた

「ノタ!」  意味など無い😁

そう呼ぶと、ノタはパッと私の顔を見る


そして私が歩き出すと
当たり前の様についてくる


それが
子どもの私には、たまらなく嬉しかった
ノタと一緒に山へ行くのが日課になった

山へ続くあぜ道を歩いていく
そのあぜ道の上の方には
広い草原が広がっていた
そこには、真っ赤な彼岸花が
ぶわーっと咲いていた


まるで、トトロに出てきた田舎の風景

私は、その景色が大好きだった
見晴らしのいい場所まで行くと
ノタは私の右側にちょこんと座る


私はその日、学校であったことを
ノタにいっぱい話した
両親が共働きだったこともあり
楽しかったこと、悲しかったこと
学校での出来事を何んでも話した

一方通行の会話😁
ノタはただ、じっと私の隣にいる
時々、私の顔を見上げ
話を聞いてるようだった
持ってきたおやつを分け合い
日が暮れるまで……
二人で、山の景色を眺めた

今、思えば…

ノタは、私の親友だった
私は子どもの頃から動物が大好きだった
家では亀を飼ったりもしていたけれど
本当は、犬を飼いたくて仕方なかった

今は野良犬、野良猫も見なくなったが
その時代には、私の住んでた田舎には
野良犬や野良猫が沢山いた

学校帰りにみんなで遊んでいた神社にも
時々、野良犬が産んだ子犬が何匹もいた🐶
見つける度に皆で一匹づつ連れて帰った


そして、お父さんに言われる
「返してきなさい」


私は目にいっぱい涙をためて
泣きながら、その子を返しに行った


一度じゃない
何度も何度も拾ってくる私に
お父さんはいつも優しい顔で言った
「動物は人間より
先に逝ってしまうからな」
子どもの私は
その言葉の意味が分からなかった
ただ可愛くて一緒にいたかった
それだけだった

でも……
今なら、少し分かる気がする
お父さんは、動物が嫌いだったわけじゃ
なかったんだと思う
大切に想うからこそ
いつか来る別れを知っていたんだろう

そして……
その「いつか」は、ノタにもやってきた
ある日、学校から帰ると
いつも庭にいたノタがいなかった
今日はどこかに遊びに行ってるんかな
そう思った
次の日もいなかった、その次の日も

みんなで探しに行った


そして、見つけた……
ノタは、静かに横たわっていた




私は泣いた 泣いて 泣いて
泣きじゃくった


だって
ノタは私の大切な友達だったから
学校から帰ると待っていてくれた
呼べばついてきてくれた
嬉しい時も悲しい時
いつも側に居てくれた
そんなノタが
もう動かない

みんなでノタを運んだ


花をいっぱい供えて見送った


幼い私には
あまりにも辛い別れだった



それから何十年
私はノタのことを思い出すことも
少なくなっていった

ところが今日
彼岸花を見た瞬間

記憶の扉が、そっと開いた
幼かった私がそこに居た



あの山の畦道の原っぱが脳裏に浮かんだ
真っ赤な彼岸花が傍らに
ノタの姿が浮かんだ
驚くほど鮮明に
右側にちょこんと座っているノタ

そんな昔の光景が
まるで昨日のことのように戻ってきた

人って
色んな事を忘れていく
昔の出来事も
その時の声も匂いも
少しずつ忘れていく
でも
心の奥に残っているものって
何かをきっかけに
突然、蘇るんだな


そして最近
友達の家の猫ちゃんが亡くなった
グレーに黒が混ざったような
トラ猫みたいな柄の可愛い子
私が遊びに行くと
いつも膝にちょこんと乗ってきた


その子が病気になって亡くなった
友達は何日も泣いていた


猫ちゃんの柩には沢山の花とオモチャ


その姿を見て
お父さんの言葉を思い出した

「動物は、人間より
先に逝ってしまうからな」

子どもの頃は分からなかった
どうして飼ったらダメなのか
今なら、少し分かる

大切に存在になればなるほど
別れはつらい、その悲しみを
幼い私には
味あわせたくなかったんだろう

でも
一緒に過ごした時間まで
消えるわけじゃない
ノタと歩いたあぜ道
真っ赤な彼岸花
右側にちょこんと座っていたノタ
私の一方通行のおしゃべり
少しずつ分けたおやつ

全部
今日の彼岸花が連れてきてくれた
何十年も経って
もう一度ノタに会えた気がした
ノタ
久しぶりやな
あの山
今も彼岸花、咲いとるで

ノタと過ごした時間だけは
ちゃんと心の中に残ってた
消えてなんかなかったんやな
ノタ
あの頃、私の話をいっぱい聞いてくれて
ありがとうね

またいつか、あの山で会おうな
今度は、ノタの話も聞かせてな