縦の列を示す 座席案内 | コンサートホールのお話など

コンサートホールのお話など

レセプショニストとして働いているコンサートホールでのお話や、クラシック音楽やとりとめのないことなどを綴っています。

前回、コンサートホール客席の座席案内について、横の列のお話を書きました。


今回は続きで、縦の列についてです。ご案内としてはまず縦、次いで横と順番が前後しますが、併せて参考にしてくださればと思います。


コンサートホールの多くは、客席の扉が複数あり、中には最前列側からも入ることができる所もありますし、少なくとも殆どは真ん中辺りに前後のブロックを分ける大きな通路がありますね。


そこの大きな通路でイメージすると、様々なケースを考えられますし、また、座席表の案内板でのご案内でも同じことが考えられます。


どの場所にいたとしても、普通に前方方向にご案内する場合は問題ないとして、後方に向かっていただく場合、少し言葉を考えます。


大きな通路が例えば15列までを前、16列からが後ろのブロックを分けているとします。


その通路で「20列」のお客様に口頭でご案内する場合はどうしましょう?

「ここから5列後ろのお席」なのですが、そうです、「後ろ」を言換えることができますね。

「5列上がっていただいて・・・」など。方向は「右手に、左手に」などと言うといいでしょう。


また、前方のお座席、例えば10列目であっても、「ここから6列降りていただき・・・」ではなく

「6列お進みいただき」など。

「舞台に向かって」などの進行方向を付け加えるとよりいいことでしょう。


前回も、席番の数字を具体的に示すとわかりやすいと申しましたが、それは時間がなくて焦ったり、少し会場内の照明が暗い時、つまり途中入場や開演直前などのシチュエーションには特に有効です。


開演前のベルで一度に多くのお客様が入られる場合は、お一人ずつご案内できないことがあり、その場合 一度に口頭でたくさんの方のお座席をご説明することがあります。


10列のお客様に「前から10番目の」と、最前列から10列もカウントしていただくわけにはいきませんし、合っているのか不安に思われます。今いる場所、15列から6列前への方が、お客様は数えながら自信を持ってお進みいただくことができます。


コツは、


前方方向には

現在地の列-チケットの席番の列+1


(15列から10番へは 15-10+1=6 →「6列前にお進みいただいて」)


後方方向には

チケットの席番の列-現在地の列+1

(16列から20番へは 20-16+1=5 →「5列階段をお上がりいただいて」)


続きはどちらも右手、または左手の○番目やおよその目安で「中ほど」や「壁際」などと、これで完成です。


例えば正面の扉にいるとして、「こちらの通路をそのまま真っ直ぐお進みいただき、真ん中の大きな通路から舞台に向かって6列目の右手中ほどのお席でございます。」と目を見ながら、お客様が解ってくださっているか確認しながら言えば、ほぼ大丈夫でしょう。


ちなみに、その後きちんと辿り着かれたかは目視確認を欠かせません。


当然ながら・・・

1番後ろから2番目の座席を真ん中の通路からご案内の場合は、難しく考えずあちらの扉から2列目など、そこは柔軟に(笑)


「あちらの非常灯の」「一番右側の」などと具体的な目印を入れることでより解りやすくなりますが、方向を差すことと、一緒に視線を向けて見ることがポイントです。


要するにお客様をイラッとさせず、わかりやすく・・・ご案内できればいいですね!