お化粧室事情 | コンサートホールのお話など

コンサートホールのお話など

レセプショニストとして働いているコンサートホールでのお話や、クラシック音楽やとりとめのないことなどを綴っています。

私がレセプショニストとしての基本を身に着けたホールでは、自分から口にする時は、絶対にトイレのことを「トイレ」はもちろん「お手洗い」とも、言ってはなりませんと教育されました。「お化粧室」と言うのです。


このお化粧室という言葉は、トイレを最もお上品に言い表した言葉で、元はお化粧直しをするだけのパウダールーム的な意味合いはありません。だから、男性に向けて使っても全く差し障りのない言葉です。


厠(古事記にも記載あり)、はばかり・手水・雪隠→ご不浄→お手洗い・お化粧室という風な、時代と共に変化する呼称があったようです。


ただ、元を辿れば「鬢所(びんじょ)」といって、髪を整え直したりもする場所、またそういうこともできる便利な(便宜的な)場所というのが便所の語源のようですので、結果的にトイレでお化粧直しをするという現代とあまり変わらない感じだったようです。


話を元に戻して、そのホールにいらっしゃる大人の社交場にふさわしい紳士には違和感のある反応が返ってきた経験も特に思い当たりません。


でも、「男性のお客様に変な顔されるから使わないで!」と言われているホールもあり、そこでは癖もなかなか取れず、大変です。特に呼び方については全く無関心のホールも知っています。




さて、お気づきかどうかはわかりませんが、開場前のコンサートホールの「お化粧室」は、個室のトイレットペーパーが必ず三角形に折ってあります。清掃さんがやっておいてくださいますが、スタッフも開場前に使用した後はきちんと三角形に戻すことも習慣にしています。(きちんと専属のレセプショニストがいるホールは恐らくそうではないかと思います。)ただ男性お化粧室はペーパーまではチェックしないので、もしリハーサルなどでどなたかが使われた後はその限りではないかもしれません。


この三角形折り、コンサートホールの開場前の場合は清掃済みという意味でも、こころをこめてお迎えする(お・も・て・な・し)という意味でも大賛成ですが、普段の生活のなかでは、不衛生な気がして私個人的には好ましく思っていませんでした。そのことに関して、以下のような記事がトピックスにあるのを見つけ、同じように思う人はいるのだな…と思いました。



こちらをクリック