奈落の底 | コンサートホールのお話など

コンサートホールのお話など

レセプショニストとして働いているコンサートホールでのお話や、クラシック音楽やとりとめのないことなどを綴っています。

染五郎さん、とりあえずはご無事で良かったです。順調な快復をお祈り致します。



奈落の底、ついひと月程前に、普段は行くことのできない大劇場の舞台裏を見学させていただく機会があり、かなり大きな奈落の底や、天井裏のようなところまで立たせていただきました。


クラシック音楽専用のホールに比べ、奈落も含め、舞台の周りは上下とも大変に複雑で、「へ~」「すご~い」を連発したくなります。こんなところに通路があって、実はこんな風に客席が見渡せたのね!とか、これまでにも経験のあったクラシック音楽のホールの見学とはまた違います。



そして、大変に危険に満ちています。新しいホールでは、ハイテク機器とそれを使う人間の腕の凄さに感心するばかりです。うんと昔、戦前戦後などは、役者は裏方のスタッフに嫌われると、すべてがアナログなものですから、わざと意地悪をされて怪我をさせられるようなこともあったそうですよ。


日々の華やかな公演が、こんな風に裏方の総動員の狂いのない力によって無事に進行していくことが改めてわかり、私たちレセプっショニストも制作側の意図した演出を台無しにしないようにと、これまで以上に意識することになりました。


バックステージツアーなどで舞台に立ったことのある方はおわかりになるかもしれませんが、案外、舞台から客席の様子が近くに感じられます。クラシックの公演などでは指揮者が途中入場する遅れ客を自分の目で見て待ったりするのをご存知のことと思いますが、これはかなり、お客様が思われている以上によく見えて目立つものです。


携帯の液晶からの光や雑音の発生をさせないなど、お客さまにもできるご協力はあることと思いますが、小さなことでも、舞台側・スタッフ側からは大きな感謝となります。