面会~①勝手な嘘はNG | コンサートホールのお話など

コンサートホールのお話など

レセプショニストとして働いているコンサートホールでのお話や、クラシック音楽やとりとめのないことなどを綴っています。

スプリングコンサート等々、アマチュア演奏家のみなさんのコンサートが色々と盛んな季節を迎えますね。♪


今日は久しぶりに「コンサートを開く」立場でのお話を書こうと思います。


例えば、アマチュアの楽団などで、ソリストや指揮者等々の先生方をお招きすることがよくありますね。そんな時、お客さまから面会を求められたらどうしますか?*


スタッフは、ソリスト等ゲストに事前にアポイントの有無と、面会希望者に対する対応、ご予定(途中でお帰りになるかなど)などを伺っておき、事前ミーティングで情報を共有するといいですよ。電球


そして、いざお客様に面会を希望されたら、たとえそれが気を遣ってのことでも、未確認のまま嘘の対応はしてはならない∑!!と、私は考えます。



ピアニスト松浦健さんとコンサートホールと ~松浦健さん応援しています~



これは私自身がお客として演奏会に行った時の経験です。あるソリストとしてゲスト演奏する知人に直接花束を渡すことはできますか?と、花束受付のスタッフに尋ねました。



この時点で、経験の浅いスタッフだと、まず返答に困ってしまいます汗。このようにお尋ねすると、案外、うろたえてしまうことが多いのです。



「直接渡すことはできない。」ということでしたので、そこは素直にお預けしました。

そして、面会について更に尋ねたところ、それもできないと即答でした。


そこで更に質問してみました。

「ソリストは、途中でお帰りになりますか?それとも、最後までいらしゃいますか?」

というのも、忙しい方ですと、出番が終わると演奏会の途中で退席される方も少なくありません。


(ちょっと余談を。皆さまが聴きに行かれるプロのオケで、ソリストが素晴らしくて感動さめやらぬうちに次の曲の演奏を鑑賞している間にも、実は皆さんのいる客席の壁1枚を隔てたロビーやエントランスからお帰りになることがあるのです。たまたま途中入場のタイミングを待つお客様が、私服で帰っていくソリストを目撃して感動キラキラされているということもあります。楽屋口からではなく敢えてエントランスから帰りたいというお話を稀に聞くことがあります。)



話は戻りますが、確かに最後の質問は高度だったかもしれません。質の高いコンサートホールであれば、ゲストが最後までいらっしゃるかどうか、また、客席で聴かれるのかなど、細かく情報を共有しています。もちろん、ゲストご本人のご希望の対応を致します。(それでも、予定外なことは往々にして起こり、ご案内と違ってしまうということが無くはありませんがあせる



それで、私の対応をしたスタッフは、うろたえた後に、「ソリストは忙しいので、予定があって途中で帰ってしまいます。面会はできません。」ということで、「そうですか。」と、あきらめてその場は立ち去りました。↓



でも、態度や言葉遣いや表情など、対応に疑問が残り、しっくりこなかったう~んので、終演後に別のスタッフに再確認。花束はお預けしたものの無事に楽屋に辿り着きました。というのも他のスタッフはニコニコ笑顔で案内してくれました。



つまり、先の花束受付の人がとっさに嘘を言っていたのです。ついつい、自分の仕事上の興味から「あの対応は何だったのか」確認したいと思い、後日当のソリスト本人に尋ねてみたのです。



その日はオケのメンバーと終演後打ち上げがあり、特に面会を断る目的でスタッフにそのように対応するよう伝えたりなど、何もしていないということでした。



ご本人から「面会希望者にはもう帰ったと言うように。」という指示があったわけでもないのに、勝手に嘘を言うのはお客様に対して大変失礼で、面会の相手によってはトラブルにもなりかねませんかたまる・・・。例えば、出演者自身の先生や、曲を提供してくれた作曲家さんの関係や、イロイロとあるわけです。



本来ならばその辺の事情を、大勢いる門下生のうちの一人なのか(場合によってはお通しするとキリがない人数なので)、マネージャーやご家族なのか、重要な関係者なのか、察しながらのふさわしい対応能力が求められます。



そこまではアマチュアの方には無理だと思いますので、まずは事前確認、情報の共有、わからないことを聞かれたらお待ちいただいて調べる、という社会人ならコンサートホールに限らず通じる基本!を押さえていれば大丈夫です。



お客様はたとえ面会できなくても、誠実な対応に納得してくださいますよ、きっと。わからなかったらとにかく「確認してまいりますので少々お待ち下さいませ。」と、慌てずに待って頂き、気持ちのこもった笑顔で対応すればokです。