コンサートホールの仕事をしていると、お客さまに様々なことの質問を受けます。「休憩時間はいつまでですか」なんて定番のものの他に、たま~にあるのが、男性客による女性レセプショニストへの「トイレの個室はいくつありますか」という質問です。
恐らくコンサートに行き慣れている方なのでしょう。コンサートホールのような所はお客様の人数と休憩時間の割に、案外男性の個室の数が少なくて混雑することをよくご存知で、ならば初めから無駄な時間を省き、穴場へ行こうというものでしょう
ミーティングではその日このような質問がありましたという報告をしますが、このトイレの質問は稀にあるのです。ということは、男性のお客様がそう感じる場面がそこそこあるということで…。
ミーティングという全く同じシチュエーションですが、以前こんなことがありました。
あるホールでは、
「もし、(個室の数を)まだ知らない人があれば、開場するまでに男性トイレに入って目で確認しておいてください。フロアーの図にも載っています。ちゃんとお答えできるように。」
もちろん、お客様のニーズに確実にお応えできること、そしてその時の状況判断で、続けてどんなご案内をするのか考えることができることが求められます。
ところが別のホールでは、
「さぁ…私は男性ではありませんので(と、にこやかに)わかりかねます。っていう風に、時にはユーモアを交えることも大切。」
という指導が…(これは、その時にいた先輩の話で、特にホールの方針ではありませんので念のため。)
現場では既に男性客で溢れかえるトイレには事実上入れないし、ご自身で見ればわかるから、関与できないという意味だったのでしょう。(ここの部分だけをピックアップすると何だか酷い感じが伝わってしまい、躊躇しましたが)残念だったのは、私以外の者は「変な質問をするお客さま」という認識で、このアドバイスに対して「ほ~。なるほど。」というリアクションでした。
前者のホールでも、同じようにユーモアについて先輩のアドバイスがあった時もありますが、それは別のシチュエーションで確かに楽しい会話のスパイスになるようなものでした。
ちょっと考えればわかりますが、トイレの個室の数をわざわざ質問するなんて、本当に今すぐ知りたい状況なのか、または、今後来た時の為に知っておきたいのでしょう。なかなか声を掛けにくいことだと思います
ちなみに、数がわからなくても勉強不足を一言詫び、取り急ぎ別の比較的空いている所へご案内する、場合によっては調べて後で報告する、ということがベストだと思います。そして、今後は全員が正確にお答えできるように繋ぐという姿勢が大事なのだと思います
「サービスのプロ意識」
「コンサートホールのサービスのプロ意識」
まだまだ勉強して身につけることがたくさんあります。