ファンサービスの新時代 | コンサートホールのお話など

コンサートホールのお話など

レセプショニストとして働いているコンサートホールでのお話や、クラシック音楽やとりとめのないことなどを綴っています。

演奏会にお馴染みのファンサービスとして、プレトークという形態がしばしば取られてきました。


最近は、アフタートークというものも出始め、私も仕事で接する機会がありました。トークには限らずとも、ロビーでの出演者自身によるお見送りということも以前より増している気がします。


これまでは、レセプションという、一種のパーティー的な催しですと、チケットが高額になり、当然 参加者も参加人数も限られてしまいました。


また、サイン会などの面会では、握手する程度のものでした。


これらの形態に比べると、アフタートークの利点は、全員の人に周知徹底ができ、プレトークは その日のプログラムに関しての解説が主な内容になっていることに対して、出演者の内面的なものが直接垣間見れることが多く、双方の直接的な関わりによってファンはまた次をも応援したくなる、出演者にとってもいい機会となることが多いのではないかと思います。


プレトークは会社帰りなど、間に合わない人も多く、アフタートークは反対に、帰りを急ぐ方は参加できません。しかし、参加率からいえば、圧倒的にアフタートークの方が数が多いですし、内容に興味がなければ途中で帰ることも可能です。


その場所も、舞台には限りません。ロビーで飲み物をふるまったりしながら、乾杯なんて洒落た演出も可能です。ただ、オーケストラとなると、どうしても指揮者やソリストということになってしまいがちですが、ソロや室内楽、極めて小編成のオケなら大丈夫でしょう。



先日私が仕事先で出会った一種のアフタートーク(交流会としていました)は、ソロリサイタルの出演者でしたが、マネージャーやCDのレコーディング関係などの近辺で支えている人からも、一言ずつファンへのメッセージがあり、興味深い内容でした。



コンサートホールの閉館時間などを考慮のうえ、ファンとの結びつきを大切にする時間を、色々と新しい形態で探っていく時代が来たようです。