P席 | コンサートホールのお話など

コンサートホールのお話など

レセプショニストとして働いているコンサートホールでのお話や、クラシック音楽やとりとめのないことなどを綴っています。

コンサートホールで、オーケストラの後ろ側(裏側)、パイプオルガンの下に当たる席のことをP席というホールがあります。


これは、ラテン語の「ポディウム」の頭文字で、指揮台という意味からきます。


名前のように、例えば西本智実さんキラキラのような人気の指揮者など、指揮を正面から見たいラブラブというような目的で人気の席となることもあります。


オケのすぐそばの席だから

「さぞかし特別で、高額なんでしょう!?

「一番いい席なんでしょうはてなマーク


という質問が多いのですが、どうしてもステージの裏になってしまうため、他の席より音響的にすぐれているとは言い難く、見た目にも出演者が背中を向けてしまいます。

ですので、実は一番お手頃価格の席なのです¥

でも、間近にオーケストラや出演者が見え、楽譜や楽譜をめくる様子、打楽器の動きなど、ビジュアル的に楽しめる利点もあり、そのうえ安いのでなかなかの人気があります。とにかくたくさんの演奏会に行きたい方は、P席で演奏会の数をこなすなどしている方もあります。


性格上、どうしても声楽のみのときは「ちょっとキツイかな・・・」と思いますが、しかし。カーテンコールでP席のお客のためにわざわざ振り返って深々とおお辞儀してもらうと、ようやく顔も衣装ワンピースも見えて、感動もひとしおですアップ


席を取るときに気をつけたいのは、場所によっては目的の見たいものが死角になってしまうことがあることです。特に打楽器見たさで席を取る時は、覗きこまないと見えない場合もありあすメガネが、身の乗り出しは危険なうえ周囲のお客様にも迷惑ですので、もし取った席がイマイチでも、やめてください。


休憩など係員がいてドアも開いている状態ドアを除いて、開演ギリギリ、特に客席の照明が落ちている場合は、P席後ろのドアを使わずに左右、近い方のサイドの扉から客席内に入り、客席内の通路からP席に行かれることをお願い、誘導していることが多いです。ステージ上 暗い客席からの光もれをふさいだりという目的があります。


注意そして、万一演奏が始まってしまった場合は目立ちますので、途中で歩くのをストップし、次に移動しても差し支えのないタイミングまで壁際に立っていただいたり、とりあえず近くの空席にかけていただくこともあります。(これはP席に限りません。)

そういう場合はどうかご協力ください。このタイミングは演奏者自身の希望や主催との打ち合わせの上で、それをレセプショニストがお守りしていますクローバー


意外と多いのが前を見るための乗り出しや、ステージ上に物(チラシ・めがねなど)を落とすというトラブルです。どうかお互いにマナーを守って快適に過ごせますように音譜