中学3年生の親子と進路相談をしていると、タイトルのようなことをいう方が割といます。
「うちの子には少しでもいい高校に行ってほしいんです。子供もそう言って頑張っています」
「いい高校ってどんな高校ですか?」
と聞くと
「そりゃもう、少しでも、一点でも偏差値の高い高校ですよ。」
中には
「夏休みが終わったら最低でも偏差値は5点上げて欲しいんですよ」
無理です。
偏差値って得点じゃないから5点なんて急に上がりません
2学期に入ってから
「前よりすごく勉強してるのにテストの順番が上がらないなんて子供ちゃん、可哀想」
それは当たり前です。
中学3年の2学期はみんな勉強しているんだから(一部の諦めムードの子は別)
その中で自分だけ頑張ってると思う時点で無理。
なーーんてことをはっきり言えるわけないので
「◯◯さんはやればできる子なんで、このまま努力してみましょうね」
と言います。
やればできる子、っていうワードはすごくいい言葉で、どんな親子も幸せな気持ちになれます。
で、「少しでもいい高校」
については、はっきり言います。
「偏差値が高いところがいい高校ではなくて、その子に合っている高校がその子にとっていい高校だと思いますよ。雰囲気とか適性とか、将来の希望とか」
「高校見学してみて雰囲気が自分に合っているか見極めてくることが大事ですよね」
というと
「そうですね」
という親もいれば
「将来のことなんでまだ決まってないんだし、少しでもいい大学に入るために少しでも偏差値の高い高校に行くことが大事でしょう?」
という親もいます。
子供はそっちのけです。
でも、私たちは沢山みてきているんです。
無理して少しでも偏差値の高いところに入った子の多くが苦労してる
中退しちゃった子もいます。
地頭がいいのに中学時代に勉強しなかった子は、厳しい高校で勉強してグーンと成績上がることもあります。男の子に多いみたい。
大学進学に関しても、大学の指定校推薦枠を沢山持っている高校より、偏差値が高いからと言って別の高校に行って、成績が振るわなくて苦労する人。
一つ下げて指定校を沢山持っているところで上位の成績を取っていれば、推薦で名の通った大学に入れちゃう。
最近はそのことに気づいた人も多いみたいで、大学の指定校推薦枠を沢山持っている高校の倍率が上がっています。
私はもう現役引退しているので、今の受験生のリアルな実態はわかりませんが、いまだに
「少しでも偏差値の高い高校がいい高校」って言い切っちゃう人がいるんでしょうか?
うちの娘たちも塾に行っていたので、塾の先生の情報量には驚くばかりでした。
でも、私たちは高校に行ったあとの子達がどんな高校生活を送っているのか、についても比較的わかっています。
だから高校受験はラストじゃなくて、そこからがスタートだと思います。
長女は第一希望の高校に失敗してしまい、それは大きな心の傷になってしまいました。
偉そうなことをここで言っている私だって、自分の子供にはうまくやれませんでした。
だからこそ
「少しでも偏差値が高い高校」という考えは違うと思います。
私だって当時はそんなことを意識していたわけではなくて、娘に合っている高校だと思ったわけですが、今考えると自分本位だったなと思います。
でも長女は今になって
「高校時代が一番楽しかった、あの時の友達が今でも好き」
と言ってくれるのに救われます。
昨夜のウォーキングの夜空
三日月と星と川の水面に映る月