ドフンが水瓶の場所から部屋へ戻ろうとすると、シロクマのCQと鉢合わせしました。
「あっ!いたの?覗きは良くないよー」
「あの方は自分がいるのに気づいておられました。だから、わざと自分が死角になるように、ドフン様を誘導なさったんですよ。」
「なんだあ。そうだったのかあ。…綺麗だったね、あの人。」
「はい、とても。」
「明日の朝はもう水瓶には行かないで帰るよ。」
「そのほうがいいかもですね。」
「なんか、お腹減っちゃった。」
「もうお昼ですからね。食事の用意ができてると思いますよ。」
「うん。」
思春期の男の子がこんなに素直で純粋でいいのかと、一瞬シロクマのCQは思いましたが、これがドフンの長所なのだと改めて思いました。
我々がお守りしなくては。
シロクマのCQはネクタイをキュッと直しました。
ダイニングへ行くと、食事の用意が多くできていました。
「ただいまあ」
ドンジュの声がしました。
「ドフンのことが気になって帰ってきちゃった。これ、お土産のパウンドケーキ。ユン様の新作だって。後で一緒に食べよう?」
「うん。心配かけてごめんね。もう元気になったから。」
ドフンは、ドンジュもなにかあったのか気づいているはずだと思いました。
だって僕ら双子だもの。
ドンジュが気づかないふりをしているので、ドフンもそれに甘えることにしました。
いつか話せる時が来たら話せばいい。
それまでは、この気持ちは僕の秘密。
「ドフン様、ドンジュ様、いつまで立ち話なさるおつもりですか?早区お席にお付きください。給仕の方々がお困りですよ。」
シロクマのCQがパン!と手を叩いて急かしました。
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