「チャンミン、落ち着いて?あの日、うちのヒョンはスニちゃんから、ある程度事情を聞いてるから大丈夫だと思うよ」

「スニちゃんは入院前後の事は、ほとんど記憶がありません。僕も取り乱した母親からの説明と、病室での姿だけですから。退院させるときに説明は受けましたが、そこに至った経緯はわからないんです」



自分の手の指先がかすかに震えてきているのが分かる。

入院のことについてはこないだ聞いてわからないと言われたばかりだ。

弟の僕ですら細かい事情がわからないのに、なぜユノさんは大丈夫だと言い切れるのか。



「スニちゃんとうちのヒョンが専門学校時代の先輩後輩なのは知ってる?」


コクリと頷くと、ユノさんも頷いて話し始めた。


「学校を出て、ヒョンはプサンに帰ってきた。アトリエプラダは元々うちの両親が始めた弁当屋さんなんだ。だから、あとを継ぐために戻ってきたわけ。そのうち、学生時代の友達とかと頻繁に連絡を取るようになったり、休日にソウルに行くようになったりし始めたんだよ」


ユノさんの話では、てっきり恋人でもできたのかと思っていたらしいけど、だんだん様子が変になってきて、ソウルにも行かなくなってしまったという。


「ビリョニヒョンなら知ってるかも知れない。聞いてみてあげるよ」

手をポンポンとされて、初めて僕はユノさんに手を握られていた事に気がついた。

ああ、僕としたことが…



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