「ねえねえ、来週の俺のバースデーパーティー、スニちゃんのケーキがいいなあ」
スニちゃんの手土産のパウンドケーキに、クッデさんが生クリームとフルーツでアレンジしたデザートを食べながらユノさんが言った。
「って、主役が言ってるけど、どうなんだ?お前はいつまでこっちにいられるんだ?」
ドキリとした。
そうだった。
スニちゃんは療養でこの釜山に来ているだけだ。
良くなればソウルに帰るだろう。
僕としたことが、そんな大事なことをすっかり忘れてた。
「いいわよ。バースデーケーキ承るわ。ここにいる人数分くらいかしら?」
「そうか。人数はもう少し増えると思う。それから、バースデーケーキの他に配れる用のカップケーキみたいのも頼みたいんだが」
「お土産?」
「こいつがコーチしてるサッカーチームの子どもたちが昼間来るから、その子達に配るんだ」
「何人くらい?」
「20人くらいかな」
「分かったわ。一つお願いがあるの」
「ここ使いたいんだろ?構わないぜ」
何?この空気感、イライラする。
なんでこの二人こんなにトントン会話が進むんだ?
「よう、シスコン。姉君とクッデが阿吽の呼吸なのが気に入らないようだな」
ヒチョルさんがいつの間にか僕の隣りにいた。
「そして、更に注意は必要だな。さっき、店の外で見知らぬイケメンに姉君のことを聞かれたぞ。奴は姉君のことを知ってるふうだったがな」
え?
どういうこと?
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