「…はく…ふぅううう」

えっ⁉

俺が走ったのがまずかったのか?

「待て待て、トイレに行くまで我慢しろ!」

急いで玄関のロックを外してチャンミンをトイレに連れて行きつつ体の位置を入れ替えた。

上着とネクタイを剥ぎ取るようにしてトイレに押し込み、俺も上着とネクタイを外してワイシャツの袖をまくりながら冷蔵庫の中からミネラルウォーターのボトルを取り出した。

トイレに行くと、チャンミンの唸り声が聞こえる。

「チャンミン、ほら、水」

ペットボトルの蓋を開けて手渡した。

チャンミンはボトルの水を半分くらい一気にごくごく飲むと、便器を抱え込むような体勢になった。

じゃーっと音がして、再びチャンミンはボトルの水を飲んで吐いた。

チャンミン、まるで胃洗浄してるみたいだ。

こんなに酒弱いのか。

今度は酒よりも食事にポイントをおいて口説くか。


「ゆのしゃん、ごべんだだい」

ごめんなさいって言えてないのが可愛いな。ますますタイプだ。

「チャンミン、大丈夫か?立てるか?」

涙やらなんやらでぐちゃぐちゃになっている顔をトイレットペーパーで拭いてやってから、お湯で絞ったタオルで拭いてやった。

チャンミンはされるままになっている。

「たてぅ…」

やばい、可愛いが渋滞してきたぞ。

喰ってしまいたいが、そんなのだめだ、大事に距離を近くしていかないと。

ましてや、今相手は泥酔状態だ。

今夜は紳士でいこう。



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