部署内でも酒豪で名を馳せてるこの僕が、ビールジョッキ3杯で酔うわけもなく。

ひたすらに考えていた。

誘ってくれたということは、何らかの望みはあるかもしれない。

さん付け呼びだったのが、呼び方が変わってから、ユノさんの瞳の雰囲気が変わったのを僕は見逃していない。

なんていうか、真っ黒なタピオカみたいにうるうるクリクリした瞳が、炎を秘め始めた感じで、ここがはってんバーなら視線一つで場所を変える流れになりそうな。

ちょっと前髪を指先で遊ばせるようにする仕草も、グラスに添える手も色気がある。

この人になら喰われてもいい。

大体、相談に乗ってほしくてなんて言っておいて、肝心の相談とやらはどこにあるんだ。


このまま撤収になるかも。

いやいやいやいや、なにか爪痕を残さなくちゃ!

こんな機会、次はいつになるか分からない。

現にこの人は飲み会への誘いがひっきりなしだ。

合コンなんかに連れて行かれて、誰かに獲られてしまうかもしれない。

どうする、僕?


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