ほんの一瞬であったとしても、頭をフル回転させて考えた。
何かが外れる感覚がしてスーッと気持ちが落ち着いた。
「僕はずっと自分の性癖を隠して生きてきました。特に公表することもないと思っていたからです。それについてユノとも過去のパートナーともキチンと話したこともありませんでした。
しかし、チョンさんに訊かれたことで改めて考える機会を得ました。
マイノリティである僕らがこの国で男女のカップルのように振る舞える日が来るのは、まだまだ先のことだと思います。
だけど、自然に過ごせるようにバランスを取っていけたらと思っています。
勿論、これは僕の考えであって、まだユノと話せていませんからこれからということになりますが。」
僕を見る二人の表情はとても優しくて、一瞬どうしていいかわからなかった。
「シムさん、どうだろうか?」
「まあ、とりあえずこんなところかな?」
は?
どういうこと?
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