「悪いな、三人とも。」
最後に入ってきたテミンがドアをピタリと閉めた。
ガラスの向こうで他の連中が何事かとこちらを見ている。
勢いに近い感じで呼んでしまったけれど、果たして本当に話していいものか。
今さら迷っている俺に、ミンホが口を開いた。
「僕らは何ができますか?」
三人とも俺を真っ直ぐに見ている。
「部長、言ってください。」
スルギが睨むように見て言う。
このまま、何でもないと誤魔化しても彼らには通用しないだろう。
「…あの、さ…上司が同性を恋愛対象にしていると知ったら、それまでと同じように部下として仕事できるか?」
「は?」
三人とも目を真ん丸にしている。
そりゃそうだよな。
「あー、ごめん。今の話は聞かなかったことにしてくれるか?もう戻っていいよ。」
「そんなわけにはいきません。」
初めこそ目を丸くしていたけれど、三人ともすぐに表情が戻っていた。
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