うちの部署は全員出勤が早い方だと思う。
俺が出勤すると殆どのスタッフがオフィスにいる。
今日もオフィスに入れば既に全員揃っていた。
入り口に近い席からさざ波のように挨拶の声が続く。
一度その事をテミンに話したら、奴はドヤ顔で答えた。
「そんなの決まってるでしょ。出勤してくる部長に挨拶したいからですよ。うちが直行直帰が極端に少ないのも同じ理由です。」
「なんだそりゃ。」
半分あきれながらも、くすぐったい気分だった。
もし、彼らが俺のことを知ったらどうなるだろう。
それまでと同じように接してもらえるのか。
もし、背を向けられたとして業務にも支障が出てくるんじゃないのか。
いつのまにか腕組をして考え込んでいたらしく、視線を感じて振り向いたら全員がこちらを見ていた。
大丈夫だと手を振ると大半のスタッフは体勢を戻したけれど、テミンとミンホとスルギの3人はこちらを向いたまま動かない。
「テミン、ミノ、スルギ、ちょっといいか。」
手招きすると、3人ともすぐにやって来た。
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