※別ブログに載せていたお話です。
会社から待ち合わせのカフェまでの間に信号が二つある。
今までそんなことなかったのに、二つとも赤信号に当たった。
運命の歯車が悪い方向へと回っている気がしてならない。
革靴がこんなに走りにくいとは思わなかった。
靴底がアスファルトに滑って、空回りしている感じだ。
あの角を曲がればカフェの入り口が見える。
その時。
♪~
毎日18時に鳴る音楽が聞こえてきた。
あーっ!くそっ、まじかよ!
必死に走って角を曲がった先に見えるカフェの前には、誰もいなかった。
もしかしたら中にいるかも知れない。
カフェは二階だから、俺が走ってくるのを見ているかも。
階段を駆けあがると、『close』の札がかかっていた。
「え…」
膝の力が抜けて、そのまま階段に座り込んでしまった。
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