※別ブログに載せていたお話です。
わざとギリギリに連絡した。
そうすれば、絶対間に合わないから。
顔を見たら決意が揺らぐ。
声を聞いたら絆される。
だから、こうする他なかった。
太陽のように輝いているかと思えば、森のなかにひっそりと咲く百合の花のような人。
あなたの側にいられるだけでよかったんだ。
自分の気持ちは隠し通すはずだった。
弟として存在していたかった。
でも、あなたは僕の気持ちに気がついた。
「お前の好きと俺の好きは同じだと思うよ。」
あのときのあなたの笑顔が忘れられない。
周りのすべてを敵にしてもあなたの側から離れないと思っていた。
けど。
あの人のお父さんに呼び出された。
「君が生活している所では同性愛についてオープンなのか?堂々と手を繋いで街を歩けるのか?男女の恋人同士のように寄り添っても誰も偏見の目で見たりしないのか?」
僕は何一つ肯定できなかった。
実際、僕らは周囲には関係を秘密にしていたから。
お互いの部屋にいるときだけ寄り添い、触れあっていた。
それでも僕は構わなかった。
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