「チャンミン、なんで今朝来なかったんだよ?」


「チェ副社長からお呼びがかかったんだよ。」


「チャンミンは俺のなのに…」


「そんなこと言わないで?」


「だってさ…」


「仕事だったんだよ。」


「わかってるよ…わかってるけど…」


「ユノ、もう今日だけど、何曜日?」


「…きんようび…」


「一緒に帰る?」


「!…一緒に帰るっ!」


「うん。じゃ、もう寝て?定時で帰るんでしょ?」



久々に『おやすみ』と言って通話を終了した。
















「シムさん、今日はなんか気合が違いますね。前髪もあげちゃってるし。眼鏡もフレーム無しですし。」




新人のキム ミンソクが様子をうかがってくる。




「今日は何があっても定時であがります。」




今日の僕はいつもと一味違う。


金曜日だからな。


残業なんてしないぞ。


ふふん。




「分かってますよ。馬に蹴られたくありませんし、背骨を折られたくないから誰も邪魔しません。」




書類をトントンと揃えながら、オク テギョンがしみじみと言った。


女性たちも小さくため息をついたりしている。




「皆さんご存知なんですか?」


「ミンソクもそのうち分かるよ。」


「ふうん。」




終業時刻になると同時に鞄を持って秘書室のドアから滑り出た。


快速エレベーターに飛び乗って地下の駐車場へ一直線。



既に横付けされている車に乗り込み、運転手に合図をすると、付き合いの長い運転手は微かに頷いた。




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