「ちゃんみーん」


「酔ってる?」


「せったいだったんだよぉ」


「お疲れさま。」


「おりょおりおいしかったよぅ。おさけも。だからねぇ。」


「たくさん飲んじゃった?」


「ん~、ぅふふふふ。」




ほどなくして寝息が聞こえてきた。









「おはようございます。」


真夜中の電話のせいではないけれど、出勤一番手は今日もダメだった。


一番乗りした彼女はくるくると楽しげにオフィスを整えている。


「加湿器と空気清浄機、スイッチ入れますよ。」


「こっち終わりましたのでお願いしまーす。」


一通り掃除が終わってからスイッチを入れるというのが彼女のこだわりらしい。



スタッフたちが続々と出勤してくる。



「おはようございます。新しいコーヒー豆買ってきました。」


「1ブロック先にお菓子やさんがオープンしたんですけど、お客様とボスたちのお茶菓子にいいかもしれません。試食用に買ってきました。あとパンフレットも。」


「試食してから検討しましょう。」


「はい。」


コーヒー豆を買ってきた女性が早速ミルで豆を挽きはじめ、よい香りが広がる。



「シムさん、今日の予定報告、お願いしますね。こないだ代理で僕が出たから社長が不貞腐れて大変だったんで。」


「分かりました。」



そうこうするうちに、運転手たちから到着5分前の合図である着信が入り始めた。



今日も秘書室長としての一日が始まる。



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