『あるところに可愛い女の子がいました。女の子は真っ赤な頭巾を被っているので赤ずきんと呼ばれていました。』

TBはドンヘに本を読んでもらっています。

「赤ずきんちゃん、ぽくと同じなのぅ。」

「そうだな。」

ドンヘの朗読は進みます。

赤ずきんがおばあさんのところへお見舞いに行く途中、狼と出逢ってしまいました。

TBはドキドキしました。

赤ずきんが怖い目にあうかもしれないからです。

しかし、狼は『気を付けてね』と送り出したので、TBはホッとしました。

「いい狼だったのぅ。」

でも、赤ずきんが寄り道してお花を摘んでいる間に、狼がおばあさんの家に先回りしておばあさんを食べてしまいました。

「ええーっ!ダメなのぅ!」

TBは半泣きです。

ドンヘはそんなTBの反応が面白くて、身振り手振りを加えて迫真の演技で朗読を続けます。

「あああ、ダメなのぅ。赤ずきんちゃん、おばあさんのおうちに行っちゃダメなのぅ〜」

『おばあさんのお耳、大きいのね。

お前の声をよーく聞くためだよ。

おばあさんのお目々、とっても大きい。

お前の顔をよーく見るためだよ。

あらっ、手も大きい!

お前を抱きしめるためだよ。

おばあさん、お口も大きいのね。』

ここでドンヘは大きく深呼吸しました。

TBはドンヘを食いつかんばかりに見つめています。

『それはね…

お前を食べてしまうためだよっ!』


「ぎゃああああ〜!うわぁ〜ん!こわいのぅ!」

TBはビックリしすぎて泣き出してしまいました。


「ドンヘヒョン、やりすぎ。」

テミンによしよしとなだめられながらもTBはギャン泣きしています。

「ゴメンなー、まさかそんなリアクションが返ってくると思わなかったんだよ。頼むから泣き止んでくれよ〜」

「赤ずきんちゃん食べられちゃったのぅ〜」

大騒ぎしているところにヒニムが帰ってきました。

「外まで泣き声が聞こえるぞ。何を騒いでいるんだ?」

「ひにむ〜赤ずきんちゃんがぁ〜」

「あ?」


ドンヘに本を読んでもらっていただけだと分かると、ヒニムは半分呆れながらもTBに言いました。

「お前、ギャン泣きして最後まで聞いてないだろ?食われたババアと赤ずきんがどうなったのか知りたくないか?」

だいぶ泣き止んできたものの、まだメソメソとしているTBはヒニムの方を見ます。

「狩人がやってきて、狼の腹を裂いてババアと赤ずきんを出してやるんだよ。」

「赤ずきんちゃん、大丈夫なのぅ?」

「おう。」

「それで?狼は?」

「ババアと赤ずきんの代わりに腹に石を詰められて、それに気付かないまま川に水を飲みに行って溺れて死んだのさ。」

「うわぁん!かわいそうなのぅ!」

折角泣き止みかけたTBは再びギャン泣きしだしてしまいました。


おわり










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