チャンミンを玄関で送り出して、ユノは書斎のパソコンで怪盗MAX出没のニュースを見る。
ユノはずっと引っかかっていた。
おかしい。
これはMAXの手口と違う。
第一何も盗まれていない。
セキュリティに引っかかって何も盗まずに逃げるなんて、今までのMAXにはないことだ。
今までMAXの獲物になったのは全部ダイヤモンドだ。
ネックレスの完成形も全部がダイヤモンドだった。
「ここんちにある宝石はサファイアじゃん。しかも通り名まである超有名な宝石だし。」
顔こそ隠れているけど、防犯カメラに映り込むなんて。
全てがおかしい。
違和感ばかりが募る。
記事に載っている画像を見ていて、ユノはふと思った。
誰かに似てる。
「誰だ?背が高いな…」
画像の人物に意識をフォーカスさせて、集中する。
「あ…」
画像の人物が分かると同時に、尻尾が揺れる感覚に気が付いた。
画像に集中していたせいもあって、書斎のドアの向こうにあった気配にはユノは気づいていなかった。
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